キミハイラナイヨ。3

第95話 首の行方 ページ11

ナオ「あ、七瀬ちゃん…」
調理室から出てきたナオさんは、あのミシマ先生の首が入った箱を持っていなかった。
ナオ「あの、さっきはごめんなさい。えっと、倒れたけど大丈」
七瀬「…良かったです。」
ナオ「え…」
七瀬「その様子なら大丈夫ですね。レコさんのところに行くんですよね。早く行ってきてあげてください。」
ナオ「…はい…！」
パタパタとかけて行ったナオさんに続いてサラさんが調理室から出てきた。
サラ「七瀬、もう大丈夫なのか？」
七瀬「お陰様で。私の過去が役に立って良かったです。」
サラ「良かったじゃなくて、どうしてあんなこと…」
七瀬「私にしか分からないから。だから、話したんです。むしろ恐ろしいのはあの後ですよいろんな意味で。」
サラ「そ、そうか…」
ケイジ「あの箱の中は見たかい？」
サラ「あ、いえ…」

七瀬「入ってませんよ。あの中。」

サラ「…っえ？」

七瀬「何も伝わらない。中に入ってるならもっと空気が重くて呼吸しづらいはずです。」
調理室に入って箱を持ち上げると、人の頭が入ってるとは思えないほど軽かった。
ケイジさんに軽く投げてパスし、中を確認してもらう。
ケイジ「…本当だ、何もない…すっからかんだねー。」
サラ「あのナオさんが目を離すとは思えないし…誰が…」

七瀬「最初に調理室の鍵を開けた誰かさんですよ。」

ケイジ「…根拠は？」
七瀬「元々鍵のかかっていた調理室を開けてナオさんを誘導し、鈍器を持たせてソウさんを殴らせパソコンを奪わせる。
その間にミシマ先生の首を回収して、何事もなかったかのように箱だけ元に戻す。
最後に2階の鉄格子があった通路に投げ入れて務めは終了。
全てつなげるとこんな感じじゃないですか？」
ケイジ「…すごいねー。予測だけでここまで語れるのはある意味才能だよ。」
サラ「もしそうだとして、誰がそんなことをする？」
七瀬「決まってるじゃないですか。

私達側に紛れ込む、誘拐犯です。」
ケイジ「…確かに、誘拐犯でなければミシマの首は回収しないだろうね。かと言って、オレ達以外の人間には興奮状態のナオちゃんでも警戒するだろう。
…オレ達側に紛れ込む誘拐犯ってのが、1番妥当な考えだと思うよ。

さ、今は考えていても仕方がない。取り敢えずこの部屋を探索しよーか。」

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