空白が二十八。 ページ29
「判った。お前を黒虎に入れる」
「本当に?」
云った瞬間顔を輝かせるAを見て、彼は何度目かも判らない溜息を吐いた。
「嗚呼。だが一つ。探偵社に行った時、未来から、と云ったよな。どういうことだ」
「時空操作の異能力を持つ知り合いに未来から連れてきてもらったの。嘘じゃない」
疑う目にAはきっぱり云う。
「それじゃあお前は」
「...容姿を変える異能」
♢♢♢♢♢
「敦君、知り合い?」
「...孤児院が一緒だったんです。院長に可愛がられてることから院長の娘って呼ばれてて」
「本当は只の孤児ってことか」
「はい。話したこともあるんですけど、僕は嫌われてました」
「...単身じゃないみたいだったし、黒虎かもね」
「あの謎の組織ですか?なにを目的に...」
「それはまだ判らないけど、可能性は」
「敦君を殺す、組織だったりして」
♢♢♢♢♢
「...で。此処のメンバーは紹介したよな?」
「うん、結構多いんだね」
「ま、孤児院にいたやつが多いしな。異能持ちも何人か」
Aはそれぞれ一人一人を見て、自然に孤児院で見覚えがある人を探していた。
でも、矢張り印象に残っていた子はいなかったのか、人を追っていた目はいつしか下を向いていた。
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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年9月8日 13時