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空白が二十二。 ページ23

「人虎...中島敦、とか云ったか?其奴が海外の異能組織、組合が欲しがってんだ。態々七十億もの賞金かけてな」


ポートマフィア(うち)からすれば、そんな人虎を殺される訳にはいかねェ」




先程の口調、表情から打って変わって深刻さが増す。

でもこれでやっと判った。


『黒虎』のこと。

ポートマフィアが黒虎を邪魔に思う意味。




「有難うございました」




おう、と頼もしげに笑う中也に少し心が痛んだ。




Aはこの後、組織を裏切ることになる。


夜、Aは何も持たずに外に出た。

もうポートマフィア(ここ)に用はない。また新しい場所に行かなければならないことに少し寂しさを憶えるが、そんなことは云っていられない。

振り返らずに歩いた。




「Aさん!」




振り返らずに、行こうと思っていた。

反射的に振り返ると。夜でも輝く見慣れた金髪があった。




「樋口さん...」




そう、息切れた樋口がそこに立っていた。裏切ることは、樋口にとってショックだっただろうか。判らない。

何て云えばいいかも、どう対処していいか、判らない。

空白が二十三。→←空白が二十一。



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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年9月8日 13時

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