検索窓
今日:3 hit、昨日:7 hit、合計:33,822 hit

Slap the Stick(壱) ページ9

「反動だね…」




穏やかな街、穏やかな喫茶店。

その喫茶処は、探偵社の入った建築物(ビルヂング)の一階にあって、休憩中の探偵社員がよく屯している。



創立以来の大激戦、組合戦が終わり、皆は反動でだらけてしまっていた。

敦が持ってきた依頼も全員がパスする程。


すると、カラン、というドアベルの音が鳴って、一人の制服の少女が入ってくる。




「今日は、皆さん」




白いシャツに、膝上のスカァト。耳に掛けた赤茶色の髪がさらりと揺れた。




「お帰り〜、A」


「只今です、太宰さん。」




だらけたままの太宰がAに云う。いつもの事なので、気にせず返事して空いているカウンター席に座った。

隣にいた乱歩が、ふとAに話しかける。




「踏みとどまれて良かったな」


「え…?」


「それでこそ探偵社員だ。…でも何かあったら頼る事も大切だからな!」




最初に云われた言葉が、Aの中で反芻した。

図星だったからこそ、動揺したのだ。




「流石名探偵ですね。有難う御座います」




少し力無く笑って、乱歩に返した。乱歩は満足そうに笑って、また自分の飲み物に口をつけた。

Slap the Stick(弐)→←背負うもの(参)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (53 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
120人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年6月16日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。