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天の海をゆく白鯨のありて(壱) ページ20

次の日、探偵社では、乱歩と与謝野が組合と戦い、組合を倒せる情報が手に入ったとの事だった。


奥の部屋で探偵社の頭脳派トップ2が作戦立案をしていた。




「何の話だか全く判らん」




顔を顰めて部屋を覗き込みながらAが云う。




「僕もです…」




と敦が同意する。最後には作戦立案は終わったようで、敦の肩に紙飛行機が当たった。




「何ですか?それ」


「判らない…」




♢♢♢♢♢




三人が来たのは、ある図書館…という名の機密拠点だった。

太宰曰く、




「操縦は谷崎君、潜入は敦君で、特務課に行くとしたら信用のあるAがいいかな」


「え、私?」




Aは急に名指しされ、戸惑う。信用、あるかな…と考えていると、太宰がそれを見て補足した。




「うん、特務課に知り合いいるでしょ?」


「…あぁ、あの人か」




一瞬安吾の事かと思ったが、それは太宰も同じだ。特務課の人物を考えてみると、確かにいた。仲がいい人が。




「判りました」




…という訳でその三人が選ばれたのだ。




「着きましたよ」


「うわ…凄い、こんな風になってたんだ」




敦が感嘆する。そこに立っていたのは、青緑髪の女性。




「お待ちしていました、探偵社様」




「今日は、深月さん」


「お久しぶりです、Aさん!」




先程のきりっとした表情から、ぱあっと少女のような明るい表情に変わる、異能特務課エージェント、辻村深月。




「Aちゃん、知り合いなの?」


「はい、一度知り合ってから仲良くなって」




笑いながらAが云う。


敦と谷崎は、特務課に友達(?)がいるとは、とAを見る目が少し変わった。

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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年5月27日 19時

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