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双つの黒(拾弐) ページ19

「さあ帰ろうA」


「え、中也さんを拠点まで送り届けなくていいんですか?」


「いいよそれは」


「でもさっき、超いい顔で『任せなよ、相棒』って云ってましたよね?」


「ここぞとばかりに云うねA…」




ガンガン云うAに、太宰が気圧された。




「あれは忘れてやりませんから」


「ご免って〜」




腕の手品の事を思い出してAが太宰に背中を向けて怒った口調で云う。




「でもまぁ…」




Aがゆっくりと振り返る。




「ちょっと、格好良かったです」




Aが照れ臭そうに微笑む。それは太宰の心臓に突き刺さった。




「待って私のAが可愛い(これくらいは普通さ)」


「思ってる事と云ってる事が逆です」




Aが呆れて云う。結局中也は置いて帰ることになったのだが、それは気が引けたAは、さっきの布で中也の顔後を拭いた。



なんか今日は顔の血拭いてばかりな気がする。


あながち間違いてはなかった。

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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年5月27日 19時

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