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「傑は森を出て」
「……何を言ってるんだ?」
彼は信じられないものを見る目で私を見た。
「万が一の時の為に、傑には外にいて欲しいの。逃がしたら非術師――いや、術師も死ぬかもしれない」
「でも君はどうなる?もしも彼女にやられたら」
「大丈夫、相手は私だよ?」
「でも」
「傑」
笑うと、彼は黙り込んでしまった。
「お願い」
「……っ、十分に気をつけて。何かあったらすぐ連絡して」
傑はそう言っていなくなった。
昔から私の我儘を聞いてくれるところ、変わってないんだね。彼が降りたのを確認して、帳を下ろす。
緊張感を持って近付いてくる彼女に構える。
ドンッ、と重い音がしたと思えば、周りの木々が全て薙ぎ払われた。遮蔽物を無くしたのだ。
「お喋りは終わった?傑は出たみたいだけど、一人で私に勝てると思ってるってこと?」
「当たり前じゃん。だって私、最強だから」
そう言えば、彼女は一瞬顔を顰め、小さく「馬鹿じゃないの」と呟いた。
彼奴を森から出したら終わりだ。
周りが夜になっていくのを視界の端に、目の前の私を見据える。
走り出した彼女を目で追う。速いが、呪力を追えば見えなくなるんてことはない。後ろに回ったか。
まず背後から蹴りが飛んでくる。振り向きざまに腕で衝撃を殺して、そのまま左足を振り上げた。
この攻撃が入るなんて思ってはいない。予想通り頭を屈ませ避けられた。だから力は最大限抑えて、そのまま足を振り下ろした。
「ぐっ、……はは、力が弱いと思ったらそーゆーことね」
ヒット。流石にこの一瞬で無下限張るなんてことは出来なかったようだ。大丈夫だ、勝てない相手じゃない。
一発当たった今がチャンスだ。このまま畳み掛け――
「つっ!?」
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みるくてぃー(プロフ) - 琥珀さん» そう言って頂けて本当に嬉しいです...!ありがとうございます! (2021年2月19日 18時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - みるくてぃーさんありがとうございます!呪詛師五条と呪術師五条ちゃんのバトルめちゃめちゃ良かったです!本当にありがとうございました! (2021年2月19日 16時) (レス) id: 29eff10e9f (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - ミラさん» いえいえ!毎回リクエストやコメント糧になってます…!!リクエストありがとうございます!書いてみますね! (2021年2月19日 11時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
ミラ(プロフ) - リクエスト叶えてくださりありがとうございました!みるくてぃーさんほんとに私も拙い語彙力からこんな神作品を作ってくださるなんて凄すぎて…またリクエストなのですが、本日更新された作品の逆バージョンが見たいです!原作にif五条呪詛師ちゃん襲撃が見たいです! (2021年2月19日 0時) (レス) id: 23e9cd344d (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - 琥珀さん» コメント、リクエストありがとうございます!書いてみます! (2021年2月12日 22時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2021年2月1日 20時