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傑も私達を見て混乱しているようだ。彼女が言った言葉にまた驚く。そっちは呪術師?ということは彼女は呪術師ではないのか。

もし世界がいくつもあるとして、何かの歪みで違う世界の私が来たとしたら。その私は、この世界と同じ軌跡を辿ったとは言いきれない。
 



「私は、呪術師の五条Aだけど」


「あははっ、やっぱそうなんだ。じゃあそっちでは傑と仲良くやってんの?」



 
どこか苛立つような笑い方で言うもう一人の私。

それなら恐らくこの傑は呪詛師、五条Aの世界の傑だ。彼女の言い方からして、あっちの傑は離反していないのか。



 
「……傑は、」



 
ちらりと彼の顔を見る。どこか不安そうな面持ちな彼と目が合った。



 
「ま、いいや。私にはどうでもいいしね」


「本当アンタ性格悪いな」


「何言ってんの、同じ私でしょ」



 
遮って言ってきた彼女に、苛立ちが募る。七海とか伊地知ってこんな気持ちだったのかな。ちょっとだけ申し訳なくなる訳もなかった。やっぱり私は私だった。

そんなことを思っていると、彼女は指を揃える。まずい。



 
「傑、下がって!!」



 
思い切り跳躍して地を離れる。その一瞬に、大きく地面が削れていた。術式順転、蒼だ。


降り立った先、同じように避けた傑と目を合わせる。このまま森を出れば、一般人に被害が及ぶ。とすれば、このまま森の中で彼奴を叩きのめす以外にないだろう。


頷けば、傑も同意見だというのが分かった。ふと、A、と名前を呼ばれる。彼に名前を呼ばれるなんて久し振りで、涙が出そうになった。




「君は呪術師なのか」


「そうだよ、そうだよ傑。傑も、呪術師なんだよね」


「……ああ、高専で一年の担任をやってる」



 
私同じ立場にいる彼は、私が望んだ未来そのものだった。あっちの世界の私が羨ましかった。
 

・→←異世界からの訪問者*



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みるくてぃー(プロフ) - 琥珀さん» そう言って頂けて本当に嬉しいです...!ありがとうございます! (2021年2月19日 18時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - みるくてぃーさんありがとうございます!呪詛師五条と呪術師五条ちゃんのバトルめちゃめちゃ良かったです!本当にありがとうございました! (2021年2月19日 16時) (レス) id: 29eff10e9f (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - ミラさん» いえいえ!毎回リクエストやコメント糧になってます…!!リクエストありがとうございます!書いてみますね! (2021年2月19日 11時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
ミラ(プロフ) - リクエスト叶えてくださりありがとうございました!みるくてぃーさんほんとに私も拙い語彙力からこんな神作品を作ってくださるなんて凄すぎて…またリクエストなのですが、本日更新された作品の逆バージョンが見たいです!原作にif五条呪詛師ちゃん襲撃が見たいです! (2021年2月19日 0時) (レス) id: 23e9cd344d (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - 琥珀さん» コメント、リクエストありがとうございます!書いてみます! (2021年2月12日 22時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2021年2月1日 20時

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