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桜が舞っている。七海は一人きりになった教室にいた。不意に扉が開く。
 



「やっほ、七海」

「……五条さん」



 
そこにはいつもの軽薄そうな笑みのない、Aが片手を上げている。遠慮もなしに隣の椅子に座る彼女に、何をしに来たのかと顔を顰める。彼女が関わることは大抵ろくな事がない。

席はまだ、二つのままだった。
 



「何だよ先輩が来てやったってのに」

「頼んでません」

「うわ、可愛くねー」
 



唇を尖らせる彼女に、本当に何しに来たんだと目で訴える。

Aはゆっくりと表情を消して、それから舞い込む花弁を眺めて、薄く微笑んだ。



 
「私達、置いてかれちゃったねえ」



 
触れにくい話題をさらっと出してきて、返事に困る。困った挙句、七海は何も言わないことに決めた。

Aはそれを気にする様子もなく、外で舞っている桜をまだぼーっと眺めて、そして唐突に「七海さあ」と話し始めた。



 
「呪術師、辞めるんだって?」



 
少し返事に迷ったが、やましい事なんてないし、隠す理由もない。七海は「はい」と頷く。

彼女からは興味のなさそうなふーん、という返事しかなかった。

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みるくてぃー(プロフ) - 琥珀さん» そう言って頂けて本当に嬉しいです...!ありがとうございます! (2021年2月19日 18時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - みるくてぃーさんありがとうございます!呪詛師五条と呪術師五条ちゃんのバトルめちゃめちゃ良かったです!本当にありがとうございました! (2021年2月19日 16時) (レス) id: 29eff10e9f (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - ミラさん» いえいえ!毎回リクエストやコメント糧になってます…!!リクエストありがとうございます!書いてみますね! (2021年2月19日 11時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
ミラ(プロフ) - リクエスト叶えてくださりありがとうございました!みるくてぃーさんほんとに私も拙い語彙力からこんな神作品を作ってくださるなんて凄すぎて…またリクエストなのですが、本日更新された作品の逆バージョンが見たいです!原作にif五条呪詛師ちゃん襲撃が見たいです! (2021年2月19日 0時) (レス) id: 23e9cd344d (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - 琥珀さん» コメント、リクエストありがとうございます!書いてみます! (2021年2月12日 22時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2021年2月1日 20時

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