【HP】きみらは青春でできている。《賢者の石》 (ページ11)

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「ハリー、ここを通るのよ。大丈夫、通れるから。一緒に行きましょう」

Aと横並びに歩く。目を瞑って走り、次に目を開けた時はもう、あのプラットホームではなかった。

ホグワーツ特急と書かれた紅色の汽車がそこにはあり、周りはホグワーツに行く魔法使いや魔女だらけ。

「ハリーはこれに乗ってホグワーツに」

「A先生は？」

「私はこれには乗らないのよ。だからまた後でホグワーツで会いましょう」

一緒に乗らないことで少し不安を覚えたが、そんなことで困らせる訳にはいかない。

だってこの人は自分の母親でもないのだから。また彼女が手を振ったと思うと、バシッ、と隣にいた黒猫と共に消えてしまった。

汽車に乗って誰もいないコンパートメントを確保すると、さっきいた赤毛の男の子がハリーに話しかけた。

「ここ空いてる？他はどこもいっぱいなんだ」

ハリーが頷くと、嬉しそうに向かいに座った。

「ハリー、君はついてるぜ。まさか学校一の美女、A先生に見送ってもらえるなんてな」

「じゃ、また後でな」

二人はそうとだけ言い、どこかへ行ってしまった。ロンは信じられないような顔でハリーを見ている。

「君、ほんとにハリー・ポッターなの？」

「でも僕、何にも知らないんだよ。ずっとマグルのおばさんとおじさんのとこで育ったし」

「でもそんな人いっぱいいるから大丈夫だよ」

ハリーは今一番の心配事を打ち明けるが、ロンには大した問題でもないように思えたらしい。