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でもそんな顔知らない ページ5

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魔法薬の授業に向かう途中で、誰かに軽くぶつかった。よろけた私を隣にいたシリウスが咄嗟に支えてくれた。




「あっ、ごめんシリウス」


「いや、気をつけろよ」




すぐに途切れた短い会話だったが、それを彼は聞いていたみたいで。

少しだけ前を歩いていたジェームズが顔だけ振り返ってニヤニヤしながら私達を見ている。




「...何よ」


「いやぁ?別にぃ」


「あ、エバンズ」




後ろを向いたままのジェームズは気づかなかったようだから私が言ってやる。

目立つ赤毛が前を歩いていることを。




「あっ!エバンズー!」


「...__」


「A、どうしたの?」




何、それ。


何なの、その顔。




「ううん、何でもない」




またいつものようにエバンズにあしらわれたジェームズは、彼女が見えなくなるまで彼女のことを見詰めていた。

その顔が、私の知らない顔だったものだから。


私は全ての顔を知っている筈だった。




でも、そんな顔知らない。知らないよ。

嗚呼、そうか→←私は知っている



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作品ジャンル:恋愛
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かじゅ(プロフ) - コメント失礼します!すごく素敵なお話で、一気に読んでしまいました!!とても感情移入させられて、こんなに印象に残るお話は初めてです!応援しています!! (2022年12月1日 2時) (レス) id: 99321eb5bd (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - 梨雪さん» わわ、そう言って頂けて本当に糧になります!最後まで読んで頂きありがとうございました! (2020年8月30日 23時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
梨雪(プロフ) - 突然のコメント失礼致します…こんなに胸が締め付けられて、涙が溢れてくるお話に出会ったのは初めてです。これからも応援させてください…! (2020年8月30日 20時) (レス) id: bbcecfe02e (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - ここさん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年8月30日 10時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 感動しました!これからも頑張ってください! (2020年8月30日 10時) (レス) id: 6a053de6f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2020年7月22日 0時

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