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Runaway ページ38
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卒業してから、Aは母との一つの約束の期限が切れた。
「私、この家を出ていくわ」
ローズブレイド家にて、Aは座っている父に言う。
それを聞いた父は表情を変えずに、Aを見詰めていた。
「止めたって無駄よ、もう荷物も纏めたの」
「＿＿お前はローズブレイド家当主になる。縁談もあるのを忘れるな」
眉を少しだけ寄せて父はAを睨んだ。
だが彼女も怯まない。
「当主？縁談？最高ね。私はもう決めた人がいるの」
それどころか、笑って皮肉って見せた。
「そんな我儘が通用すると思って＿＿」
「通用するわ。お母様は許してくれたもの」
「お前の母は」
何かを言う前に、Aは杖を抜いて父を黙らせた。そしてそのまま荷物を持って家を出た。
何度も足を踏み出した玄関も、その瞬間は爽快な気分だった。
これで私は自由なんだ、と。
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作者名：みるくてぃー | 作成日時：2020年7月18日 10時
