【HP】ぼくらは青春で出来ている！七年生 (ページ37)

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やっとこっちを見たシリウスを見て、Aも手を離した。

一息ついて、Aは口を開く。

「...ごめんなさい、貴方の気持ちを知っていながら知らない振りをしてた。この関係を壊したくなくて」

「私はこの通りシリウスは親友だし、これからもそうでいたい。でも貴方は違う？」

饒舌に話すAに、シリウスは段々と熱くなった気持ちを冷ましていた。

「いや、俺もそうだ」

本当は、彼女の隣で笑っていられたらどんなにいいことか。

その気持ちを押し込んで、シリウスは笑う。

「＿＿私、戻るわね」

おう、とだけ返して、シリウスはまたAに背を向けてしまった。

「ねえ、シリウス」

少し離れた距離で、Aはまた彼の名前を呼ぶ。

シリウスはゆっくりと、振り返った。何を言われるのか、全く想像もつかない様子で。

「私の事、好きになってくれてありがとう」

最後に見せた彼女の微笑みを、彼はきっと一生忘れない。

「あー、くそ」

もう誰もいなくなった天文台。

彼はやっと、学生生活の全てをやり切ったような気持ちになった。

でもまだこの想いは、捨てられそうにない。