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話すだけならいいだろうと、私は彼女に今日起こったことを全て、包み隠さず話した。
すると彼女は少し考えて、私に言った。
「ねえ、お願いがあるの」
「...なあに、リリー？」
「私に貴方の昔の話、聞かせてくれない？」
何となく、分かってはいた。彼女に話したら、きっと聞かれるだろうと。
だから、私はどこか準備していたような気すらする。
彼女になら、話してもいいんだろうか。
「わかった、貴方になら」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
私は全てを話した。
兄のアイザックは父親違いだということ、兄の方の父親は混血で、既に亡くなっているということ。
私の方の父は純血主義者で、母と私に何かときつく当たること。
皆の前で何回も決闘させられ、ボロボロにされたこと。
母が＿＿母が、耐えられなくなって失踪したこと。
「＿＿話してくれて有難う。辛かったのね」
「...いえ、今では大した話じゃ、」
「それでも、知られたくなかったんでしょう？」
「...ええ」
「貴方は、今まで頑張ってきたと思うわ。」
優しく頭を撫でられて、昔の母の手を思い出した。
目頭が熱くなって、涙が零れるのを、なんとか押し込んだ。
ここで泣けば、今迄の努力が水の泡だ。
「有難う、リリー」
「無理しないでね。何でも言うのよ？親友なんだから」
そう言って笑うリリーに、何とか笑みを返して、そのまま眠った。
心が少し軽くなったからか、その日はよく眠れたような気がする。
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作者名：みるくてぃー | 作成日時：2020年7月9日 21時
