【HP】ぼくらは青春で出来ている！四年生 (ページ46)

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「...っ泣けばいいだろ！何でそんな＿＿気持ち悪い顔するんだよ」

泣けばいくらでも慰めてやれるのに。

それでもまだ此方に弱みを見せないAに苛立つ。

馬鹿正直に心の内をA叫ぶシリウスだが、Aのその“気持ち悪い”顔は変わらなかった。

シリウスは顔を顰めたまま、部屋を出た。

「やあ、どうだった？流石の天才でも移動キーは見破れなかったようだね」

階段の傍ら腕を組んで壁に寄りかかった、見覚えのある顔。その頬は赤く腫れている。

アイザック・ローズブレイド。

シリウスは少し目を見開いて、次の瞬間胸ぐらを掴んでいた。

「てめぇの仕業か」

「そうだ。可愛い妹のAを愛しのお母様に会わせてあげたんだ。感謝して欲しいね」

「死ぬとこだったんだぞ！！」

馬鹿にしたように嘲笑するアイザックにシリウスが吼える。

それでもアイザックはピクリともしなかった。

「...どうでもいいよ。君たちが何しようともう、望みは絶たれた」

アイザックはシリウスの手をぱっと振り払うと、シリウスが何かを言おうとする前に立ち去って行ってしまった。

そのまま休暇は終わり、それぞれ何かを抱え悩んで学校生活はまた始まるのだった。