【HP】ぼくらは青春で出来ている！四年生 (ページ39)

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「凄いなこれ。誰だ？」

「バレエの有名な人よ。小さい頃からやってて。母がいなくなってからは、辞めさせられちゃったけど」

彼女は悲しそうにポスターの人を見詰める。

写真の中で踊る、濃い化粧の美しい人は、此方の気も知らずに笑っている。

Aとシリウスが同時にポスターに触れた。

事件は、その時起こった。

「きゃあっ！？」

「うおっ、！」

触れた瞬間、嫌な音がしたと思うと、二人はどこからか落下する感覚を覚えた。

どすっ、と硬い地面に叩きつけられる。

「...ご、ごめんなさい」

「ぐ...っ」

落ちた場所が悪かった。

シリウスの丁度真上にAは落ち、高い場所から落とされた上に下敷きになったシリウスは苦しそうな声を上げた。

Aはすぐに退き、打った腰を擦りながらシリウスも起き上がる。

「ここ、どこかしら」

周りを見渡す。真っ暗な小屋のような場所は、陽の光一つ入っていないように思う。

「＿＿さあ。そもそも何でここに飛ばされた？」

「分からない。前まではそんな仕掛けなかった筈よ」

あのポスターを触ってここに飛ばされたと言うことは、あの紙切れがポートキーになっているとしか思えなかった。

それをAが言うと、シリウスは怪訝そうな顔をする。