【HP】ぼくらは青春で出来ている！四年生 (ページ38)

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Easter holiday ページ38

そして、イースター休暇。

Aは父の言う通りに家に帰った。

そこには兄もいて、一気に嫌な休暇になりそうだとAは思う。

「お前に婚約者だ」

帰ってきたAに、父は挨拶もなしに言った。

Aは思わず立ち止まる。

「婚約者、って＿＿」

前にグレースから聞いた話が本当だとすれば、婚約者というのは＿＿

「だから俺は婚約なんて＿＿A？」

予想的中。シリウスだ。どこの人かもわからない男の人よりも、大分安心感があった。

シリウスは親に連れられるのを反抗して暴れていたが、Aを見てそれをやめた。

「シリウス！やっぱり」

「あー...そうだったな」

Aが笑いかけると、シリウスは思い出したように苦笑いした。

それから抵抗するのはやめたらしく、大人しく家の椅子に腰掛けた。

「少し私達だけで話すから二人は上に行ってなさい」

ローズブレイド当主と、シリウスの母方がそう言った。A達は大人しく二階に上がることにする。

「にしてもここまでやられるとはな」

「少し強引ね」

「少しどころじゃねえよ...」

Aがあっさりと言うと、シリウスは苦い顔をする。

余程力ずくで連れてこられたのだろう。

「折角だし私の部屋に来る？」

「！いいのか」

途端に嬉しそうにしたシリウスを連れて、自室に招待した。

Aの部屋は、簡素だった。壁のポスター以外は。