【HP】ぼくらは青春で出来ている！四年生 (ページ33)

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Two strange people ページ33

夕食後、リリーと寮に戻る途中に、また誰かの話し声が聞こえた。

声を聞くに、二人いることは確かだ。Aはまたか、と顔を顰める。

「大丈夫かい、お嬢さん」

「う、うん。平気です。ごめんなさい、前をちゃんと見てなくて」

「いや、此方こそ」

どうやらぶつかって男の方が手を差し伸べたらしい。

それだけならいいのだが、二人の声は何方も聞いたことのある声だった。

一人はスリザリンの許嫁の子。

もう一人は、

「貴方は＿＿」

「ああ、レイブンクローのアイザック・ローズブレイドだ」

予想的中。

Aはあまり好きではない二人の組み合わせに、額を押さえた。

というかあの兄、人を助けるような情を持ち合わせていたのかとAは思った。

他の道から行こうとも思ったが、続きが気になってしまった。

「わ＿私、グレース・ベイリーよ」

「グレース、よろしく」

彼女の声が、緊張しているのがわかった。

決闘クラブであんな意地の悪い笑みの兄を見たから二人きりになって恐いのだろうか、とAは思う。

それからやっと二人がいなくなり、リリーとAは曲がり角を曲がった。