【HP】ぼくらは青春で出来ている！四年生 (ページ32)

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「ううん、どちらかと言うと苦手なの」

Aは困ったように笑った。それに彼は喫驚する。

「スラグクラブに来るくらいだから得意なのかと思っていたよ。苦手なのに招待されたのかい？」

彼女は手持ち無沙汰になった手を目の前にあった本にやる。

「ええ。苦手だから人より勉強したわ」

「...努力家なんだな」

「ふふ、そう言って貰えると嬉しいわ」

二人で暫く会話をする。時にはAの勉強をギデオンが見たり、分からない生徒に教えたり。

「今日は助かったよ。君とも話せたし、良ければまた来てくれ」

別れ際、彼はAに笑ってそう言った。Aもまた微笑んで、それを了承した。

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「A！あの人と勉強会に行ったんですって！？」

女子部屋に入るなり、リリーはAに問いつめた。

それに驚きつつも頷く。

「で、どうだったの？」

「どうって＿＿有意義な時間を過ごせたわ。普段話せない人とも話せたし」

えへへ、と困ったように笑うAの言葉を聞いて、リリーはそう、とだけ答えた。

「Aが嬉しそうで何よりだわ」