【HP】ぼくらは青春で出来ている！四年生 (ページ29)

今日:6 hit、昨日:33 hit、合計:85,326 hit

･ページ29

，

「来たな！A、こっちだ！」

勉強会は暖かな外で行われた。何人かの生徒が机に教科書を広げている。

ギデオンに呼ばれてAはそこに向かった。

「こんにちは。本当に学年も寮も関係ないのね」

「ああ、スリザリンだっているぜ？ここじゃ寮なんて関係ないさ」

そう言ってギデオンは笑顔を見せる。

その笑顔は穢れがなく、Aは心が浄化されるように感じたほどだった。

そこに見慣れた顔を見つけるまでは。

「A先輩！こんな所でも会うなんて」

太陽に当てられて輝く金髪を揺らして、花の咲くような笑顔を見せたのは、グレースだった。

Aは顔が驚きで固まった。

「あ...こんにちは、グレース」

「ふふ、レギュラスも連れてきたかったんだけど、僕はいいですって言われちゃった。

来てればA先輩に会えたのになあ」

此方も眩しい笑顔だ。悪意がなく、純粋にそう思っていて、そのまま口にしているんだと分かる。

Aはそれが、どうしようもなく嫌だった。