二話 ページ2
目が覚めた。ずっと長い夢を見ていた気がする。過去の夢だ。
開いた目に飛び込んできたのは、心配そうに此方を覗く中也君だった。
「Aさん!」
「あれ、私...」
まだ過去の気分でいるのは、普段下ろさない髪を下ろしていたからだ。肩にかかる髪が擽ったい。
「首領呼んで来ます、少し待ってて__」
「中也君」
逃げるように出ていこうとする中也君を、呼び止めた。
彼は振り向かない侭ぴた、と止まって、次の私の言葉を待っていた。
「私の日記...中也君が持ってるんだよね?」
少し彼が反応したのが判った。
やっと振り向いた中也君は、今迄にないくらい気まづそうな表情をしていて、云った此方が申し訳無くなるくらいだった。
「...御免なさい、判ってたんですけど、どうしても貴方がずっと見ている相手が気になって」
中也君は、遂には俯いてしまった。何と声を掛けようか迷う。
「...ううん、私こそ、心配かけて御免ね」
手招きして、中也君を寝台の傍に寄らせる。帽子の上から、ぽんぽんと頭を撫でた。下を向いた中也君がどんな顔をしていたかは判らない。
「もう、あんな戦い方はやめてください」
「うん、判った。...じゃあ森さん呼んできてくれる?」
こくりと頷いて、中也君が部屋を出ていった後、入れ替わるようにして紅葉さんが部屋に入ってきた。
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みるくてぃー(プロフ) - りーこさん» 有難うございます!いつもコメントしてくれて嬉しい限りです...!頑張ります! (2019年10月26日 20時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
りーこ(プロフ) - 完結おめでとうございます。新作楽しみにしています。頑張って下さい (2019年10月26日 15時) (レス) id: 84cbb07a27 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - 月瀬*更新頑張ってる人さん» 有難うございます!後日談、考えたのですがこの形で終わらせたいと前々から決めていたので、すみません...。また新作があれば宜しくお願いします! (2019年10月24日 10時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
月瀬*更新頑張ってる人(プロフ) - コメント失礼します!完結 おめでとうございます!(良ければなのですが、後日談とかあったら嬉しいです…) (2019年10月24日 8時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - りーこさん» またまたコメント有難うございます!!これから完結に向かっていくので、最後までどうか見届けてやって下さい! (2019年10月22日 17時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年10月21日 21時