夏祭り。二十九話 ページ29
「ぼーっとしてたから。お腹すいたでしょ」
「だからって…っ!」
「うふふ、御免ね」
笑う顔は悪いと思っていない顔だ。その顔を睨みながら、蛸焼きを飲み込んだ。
まだ熱い舌を手で扇ぐ。
「あ、もうすぐだね」
何が、と聞こうと乾いた舌を閉まってまた口を開こうとすると、大きな音がして眩しい光が目の前を照らした。
空を見ると、一発目の花火はもうパラパラと消えていく。
「ねえAちゃ…」
話しかけようとした太宰先輩は途中で言葉を切った。否、切らざるを得なかった。
それは私が空に釘付けになっていたからだろう。自分が一番良く判っている。
でも、初めて見たのだ。
本物の花火を私は見たことがなかった。それ以前に、お祭りなんてものも初めてだった。人が沢山いる所は危険だから、って家が行かせてくれなかった。
こんなに綺麗なんで、こんなに眩しいなんて思っていなかった。
「綺麗…」
思わず口から言葉が自然に漏れる。
「Aちゃん」
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みるくてぃー(プロフ) - レインさん» 何時も来て頂いて有難うございます!いい話だなんて...嬉しいです。(笑)また新作作ってるので、作ったらまた宜しくお願いしますね! (2019年8月5日 21時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - 雪菟さん» か、感動して貰えて光栄です!!こちらこそ読んで頂いて有難うございました! (2019年8月5日 21時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 完結おめでとうございまずぅぅぅぅ!!!(号泣)めっちゃいい話でした!!!めっちゃ好きになりました!!!!もう、これ、あの、広まれぇぇぇ!!!(うるせぇ) (2019年8月5日 18時) (レス) id: f0b4214c85 (このIDを非表示/違反報告)
雪菟(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても感動するお話をどうもありがとうございます! (2019年8月5日 17時) (レス) id: 93dfc2fd05 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - レインさん» 新作にも来て頂いて、有難うございます!ストーリーを褒めて頂けるとめっちゃ嬉しいです、、!頑張ります! (2019年7月26日 19時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年7月26日 8時