【文スト】裏切られ系ヒロインとその友人(仮)

#5　赤毛の少女 ページ6

Aside


あ.....



ちょっと、不味いかも...







日和にバレないよう、違和感のない程度に彼女の斜め後ろを見る。



目線の先には、先程日和と仲良さげに話していた赤毛の少女。

あの時とは打って変わって、鋭い目付きで此方を見つめている。



あぁ、やってしまったかもしれない。




つい、店の雰囲気に飲み込まれ、集中しすぎてしまった。





日和の事を、忘れていた。









日和は、自分に起こった物事を過大評価する傾向にある。



良くも悪くも、大袈裟に捉えてしまうから、繊細で傷付きやすい。


それが彼女の長所であり、最大の短所だ。





それでも、彼女が壊れる事はなかった。



なぜなら、彼女の回りには常に彼女を気遣ってくれる人がいたから。






私達が出会ったのは高校の時。


その時にはもう既に、彼女の周りには沢山の人がいた。




日和が私のことを気に入って、なんとなく仲良くしつつも正直ちょっとめんどくさかったので、同じ空間にいるときは出来るだけ話さず、暇つぶしに彼女のことを観察していた。






まず、彼女の周りには常に人がいる。


一人になることのほうが少ないほどに。


日和もそれを受け入れ、いや寧ろWelcome(ウェルカム)！な感じなので、第三者から見たら彼女はいつも楽しそうに映っていた。


彼女自身、人とコミニュケーションを取るのが好きらしかったので、恵まれた環境にいるのではないかと思う。





他には、周りにいる人達の殆(ほとん)どが日和親衛隊(セコム)なので、彼女の気を崩すことがない、という所だろうか。


彼女の性格上、人に恨まれたり憎まれたりということが本当に少ない(例外もあるが)。

元々は嫉妬で彼女を恨んでいた人でも、彼女と話していたらそんな事を忘れるくらいに清らかな心になり、寧ろ執拗に彼女を愛してしてしまう、などという事例もある位だ。




他にも、彼女の生まれながらの愛され体質や、天然で憎めない等の点もあり、彼女はいつも大切に、守られて生きてきた。








それが、日和が壊れなかった理由。






ただし、傷ついているというのは事実な訳で、何が起こっても彼女は悲劇のヒロインになってしまう。





この件についてもだ。




今回は本当に私が悪いし、殆ど私に非がある。





只、めんどくさいのは、この件にあの赤毛の少女が関わってしまっていたこと。

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