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#4 うずまき ページ5

Aside


カラン カラン




日和の職場の一階にあるという喫茶処は、レトロな雰囲気と香ばしい珈琲の香りが特徴的な素敵なお店だった。




カウンターにはこの店のマスターだと思われる優しい雰囲気の初老男性と、女給だろうか、おぼんをもって日和の方をチラチラ視ている、メルヘンチックな服を着た赤毛の少女がいた。






店内には(かす)かにだが、ジャズが流れている。



あ、好きだわ。

私は一目でこの店に惹かれていた。



これで味が良かったら完璧だけど...






何て考えて、ふとマスターの方を見ると目があった。



一寸びっくりしたけれど、会釈をすると彼方(あちら)も笑顔で返してくれた。





「A!此方(こっち)座っていいって!」



折角この店の雰囲気を楽しんでいたのに、其れをぶち壊す様に声をかけてきた日和にイラッっときたが、『はーい』と返事をして指定された席に着く。





窓際の一番端のテーブル席。


呼ばれたから其のまま座ってしまったけれど、本当はカウンターが良かったな、何て今さら云える筈もなく、只外を見ながらボーッとしていた。




何故日和と話さないのか。

話さないんじゃない、話せないのだ。



彼女は目の前にいる友人を放っておいて、先程の赤毛の女の子と話していた。



口振りからして、彼女達は友人か、少なくとも只の店員と客では無さそうだった。


そういえば、彼女はこの店の常連だと云っていた気がする。


あー、だからあんなに親しいのか。納得。





日和の事だから、きっと長引くんだろうな、と思い持参していたパソコンを出す。


今は特に急ぎのものはないし、ストック用の短編集でも書いておくかな。



そう思い、一寸(ちょっと)したトリックなどを考えながら文章を書きだす。










暫くして、今度はまた別の女給さんが大きなパンケーキとメロンソーダ、そして珈琲を運んできた。



全て、頼んだ覚えはない。






私が若干困惑している事など気にせず、日和はその綺麗な瞳を更に輝かせ『わぁ!』と歓声を上げていた。



その女給さんは、私のもとに珈琲を、日和のもとにメロンソーダとパンケーキを運んだ。




「え、日和?私頼んでないんだけど...」



私が未だに困惑しながら話し掛けると、彼女は『あ、』と少し気まずそうに云った。



「ごめん、A。何か集中してるみたいだったから、先にAの分まで頼んじゃった。」

#5 赤毛の少女→←#3 お昼



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ハコ28 - とっても面白いです。続きを楽しみに待ってます (2023年4月6日 13時) (レス) id: 2c42bd39d0 (このIDを非表示/違反報告)
生きる文鎮(プロフ) - 𝑩𝑰𝑮𝑳𝑶𝑽𝑬────────── (2023年1月25日 11時) (レス) @page17 id: d1f7e0ec66 (このIDを非表示/違反報告)
- これは好きだ… あえてヒロインじゃないのがいい!!! 更新頑張ってください!!! (2023年1月18日 19時) (レス) @page11 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
めろ。(プロフ) - す、、、好きだ____________文才ありすぎですわ!羨ましいですわ!分けてくださいまし!!!!!!(???) (2023年1月16日 22時) (レス) id: 8e324f8e54 (このIDを非表示/違反報告)
桜音リシア - この作品すごい面白いです!!ヒロインではなくヒロインの友達(仮)っていう設定が気に入りました!応援してます!更新頑張ってください!! (2022年10月11日 16時) (レス) @page17 id: 332c31e382 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:砂糖葉 | 作者ホームページ:nhatev-hdfs yue1  
作成日時:2022年1月22日 17時

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