【文スト】裏切られ系ヒロインとその友人(仮)

#12　意味不明 ページ13

Aside


「A、さん…」


着物の…泉ちゃんが、私の名前を独り言のように復唱した。




それにしても、急に下の名前か。

まあ、まだ幼いし、それが普通なのかもしれない。






今の挨拶で何故か私に興味を持ってくれた泉ちゃんとは打って変わって、その他の人達は私のした日和の話に夢中のようだ。




「日和さんが、僕の話を…！」


君の話ではないけどね。



「…ふふふ」



…怖

さっきからこの人何か怖いよ。


大丈夫な人なの？

探偵よりもマフィア(何時(いつ)か噂になっていた)のほうが向いてるんじゃないの？




国木田さんとモンゴメリちゃんに至っては必死に真顔(ポーカーフェイス)保ってるみたいだけど、結構頬緩んでるからね。


相手が日和じゃなければ絶対好意持ってる事バレるよ。








今までは"怖い"という感情が殆(ほとん)どだったが、今は呆れの方が大きい。



「(噂では怖いイメージだったけど、もしかしたら結構抜けてる人が多いのかも…？)」



探偵社のイメージが良くなった(？)







「君…中井さんと云ったね。


齢(よわい)は幾(いく)つだい？家族構成は？誰と住んでいる？」



「…え？」





な、何？急に。



普通初めて会った人にそこまで聞く？


私依頼人じゃ無いんですけど…





…もしかして、何か試されている？


家族構成とか…育った環境から性格を予想するってこと？



でもそれにしては情報量が少なすぎ…






急な質問攻めに脳内は完全に混乱状態だが、疑われないよう取り繕(つくろ)いながら話すことにした。




「急ですね。


…齢は二十歳(はたち)。家族構成は、両親が他界しているので叔母(おば)と姉の二人です。

今は一人暮らしなので同居人は居ません。」



まず、聞かれたことを一通り云う。


確り聞いているのは太宰さんと泉ちゃんだけだったが。



「…そうかい。ありがとう」


…よし。今しかない。


「あの、何でこんな事聞くんですか？

もしかして、何か探ってます？」




ど直球に聞くのは如何(いかが)なものかと思ったが、回りくどく聞くのもそれはそれで不自然だから、しょうがない。



「…そんな事は無いさ。


それに、探ったとして私に何の得がある？」




どうやら本気で探りに来ているらしい。

人に違和感を覚えられないような尋問をしてくる。



上手いなぁ。流石は探偵。

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