【転スラ】転生したら、まず夢を疑いました。

12【スライムの。12】 ページ13

ちょっと待っててね、えーっと…『第三者(ｶｲｾﾂｽﾙﾓﾉ)』じゃ長いから…スキルさん！
私ちょっとあの二人の会話気になるから、あとで話そうよ。


《…かしこまりました。しかし、その渾名は些か安直では…》


はーい。わかったから静かにしていてね！


《…。》



それより名前か…。
確か夢で、誰かが何か名前呼んでたなぁ…。あれ結局誰の名前だろう。
というか、私にも名前ってあるのかな？忘れているだけで、とか。

スライムさんやドラゴンさんがもんもんと悩み耽っている。
こんなのはどーお？みたいに口にすれば良いのに。


《いえ、魔物同士の名付けとは、本来危険が伴います。安易に名付けを行うと、体内の魔素が名付けられた魔物に与えられるため、名付けた側は魔素が回復せず弱体化する可能性があります。それは名と同等の単語を口にし、名と認識すれば、名付けたことになるのです。》


スキルさん、ナイス解説！
さっきドラゴンさんが"ネームドモンスター"がどうとか言っていたけれど、その"魔素"っていう力の根源みたいなものが付与されているから、そのモンスターは強いって認識をされる…みたいな感じなんだね！きっと！


《はい。その通りです。》


おおー！なるほど。
あ、だから今お互いの名前を決め合っているのか。いわゆる魔素の交換になるように。

ドラゴンさんは既に"ヴェルドラ"って名前があるみたいだから、ファミリーネームをスライムさんが考えているみたいだけれど。


あ、ちなみにスキルさん、私に名前はあるのかな？


《いえ、現在はございません。》


あらぁ。それは悲しいなぁ。
スキルさんが付けてくれたりは…？


《申し訳ございません。スキルが名付けを行うこと自体は不可能となります。》


わぁ…私さらに悲しくなりましたよ。
いや、強くなりたいとかではなくてですね。
単純に、名前が…呼ばれるための名前が欲しかっただけなのですよ。

…となると、名前を付けてもらうには人間相手が手っ取り早いかもしれない。
ほら、人間は魔素は関係ないし。


早くこの洞窟から脱出して、人間に会いに行こう。
そして名前、貰おう。



かくして、洞窟脱出後の私の目標は決まった。


…と、同時に、ヴェルドラさんが高笑いをし、スライムさんの名前が決まったようだった。


ドラゴンさんは、ヴェルドラ＝テンペストとなり
スライムさんは、リムル＝テンペストという名前になったようだった。

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