もしかして：トリップ その4 ページ14
息を切らして飛び込んできた清光はその場に立ち尽くして、ふいに顔を両手で被うとそのまま天を仰いだ。語彙力なくした時の私じゃん。そこ似なくても良かったと思うの。
｢ちょっと待ってね主、俺今ぜんっぜん可愛くないから｣
｢清光はいつでも可愛いよ｣
｢なんかデジャヴなんだけど｣
やっとこちらを向いた彼は少し頬を赤くして不服そうに唇を尖らせた。やだ可愛い。私を可愛いで溺れさせるつもりだろうかうちの近侍殿は。
ええと、と仕切り直すように独り言ちて、それから思い出したように清光が手を打つ。
｢滝行してないよね？風邪ひいてない？｣
眉を下げて急に詰め寄ってくるから心臓に悪い。てかまつ毛なっがい。強い。反射的に両手を上げて降参、とでもいう様にポーズをとる。
｢してないしさすがに冗談だよ｣
「冗談のトーンじゃなかったんだけど」
「まじでか」
少し茶化すと今度は頬を膨らしてしまった。一挙一動愛おしいの波動で溢れてるなほんと。
彼の手を取り目を見て言う。
「ちゃんと約束守って元気だからさ、大目に見てよ」
「ん、じゃあ許す」
どちらともなくくすくすと笑いだす。
また清光とこうやって軽口を叩いて笑い合えるなんて思わなかった。なんだか不意に泣きたくなってしまうような不思議な幸福感が私を確かに満たしていた。
しばらくそうしていたのちに、ああそうだと清光が切り出した。
彼はいつになく真剣そうな眼をして、さっきからつながったままの私の手をきゅうと強く握り直すと口を開く。
｢あのさ、話さないといけないことがあるんだけど、聞いてくれる？｣
｢うん｣
そんな清光の様子に私までなんだか背筋が伸びる。一呼吸おいて、じっと彼の言葉の続きを待つ。
｢あんたさ、今まで俺たちと話したことも、今この瞬間も夢の中の出来事だって思ってるでしょ｣
｢そうだね｣
｢……実は夢じゃないって言ったらどうする｣
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ミミミ(プロフ) - こだぬきさん» ありがとうございます！こだぬきさんの元にもこだぬきさんの刀剣男士たちが訪れますよう願っております、私もいつか彼らとお話してみたいです(*´`)ゆっくり更新ですがゆるりとお待ち頂けると嬉しく思います。 (2019年5月2日 22時) (
レス) id: 8134640c57 (このIDを非表示/違反報告)
こだぬき(プロフ) - はじめまして！お話読ませて頂きました！私も実際に夢でもいいから自分の刀剣達に会いたいです…(*´ω｀*)これからも応援させて頂きます！また遊びに来させて頂きます！ (2019年5月1日 16時) (レス) id: 680cc78f50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミミミ | 作成日時：2018年12月2日 16時
