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「おう、A!ちょっとさ、1つお願いがあるんだけど。」
「なに?」
「今日の夜、高校の頃の後輩たちと俺の部屋で鍋やるんだ。
でも肝心の鍋がないんだよね〜。
貸してくれない?持ってきてくれない?できれば作ってくれない?」
「みっくんのお願い事、全然1つじゃないね。」
「あれ?まぁいいじゃん、近いんだし!」
みっくんは私のお母さんのお姉さんの子供。
つまり私たちはいとこ。
実家同士が近いことや、お互い一人っ子ということもあり、兄妹のように育った私たちはだいぶ仲が良い。
私が1人暮らしをしたいと言った時、うちの両親をみっくんが説得してくれた。
初めは渋っていた両親も
「1人暮らしをすることで親のありがたみがわかった」
と、みっくんが自分の親に感謝しているという想いを語ったところ、私の両親をまんまと感動へと追い込み、あっさり承諾を得てくれた。
そして親から1つだけ出された条件はみっくんの部屋に近いところ。
そんなわけで、みっくんは部屋が近いのを良いことに、何かと用を押しつけてくる。
大きな貸しを作った私はみっくんのお願いを無下に断れない。
それを見込んだみっくんの策略だったんじゃないかと、最近強く思う。
「ねぇってば!A、お願い!!」
年上でありながら、甘えてくるこの感じ。
従兄ながら可愛いと思ってしまう。
「はいはい、わかりましたよ。」
「さっすがA!ありがとう!!」
ニッと笑ったみっくんの顔が浮かぶ。
策略はどうあれ、みっくんの
「A、お願い!」
には昔から断れないんだ。
こうして私は夕方、みっくんの部屋に向かうことになった。
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作者名:Pyon-co | 作成日時:2014年12月8日 20時