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律子先輩は給湯室を出ていってしまった。
置いてきぼりにされ立ち尽くしている私を呼ぶ声が聞こえ、廊下に顔を出すと律子先輩が手招きして呼んでいる。
先輩に着いていった先は
「屋上テラス?先輩、大丈夫なんですか?仕事中なのに。」
「大丈夫、大丈夫!私とAちゃんのボード、30分打ち合わせって書いてきたから。今日天気が良くて気持ちいいね。」
先輩はそう言いいながら雲一つない青空に両手を挙げ軽く伸びをした。
「で、どうしたの?恋愛の悩み?」
おもむろにこちらに振り返った律子先輩が言った。
「え・・・」
「Aちゃんって本当にわかりやすいよね。」
律子先輩はベンチに腰掛け、隣に座るよう促した。
「それで、なにを悩んでるの?」
「私・・・律子先輩に気になる人を聞かれたときに2人の男性が頭に浮かんだんです。その気持ちはただの憧れかもしれないけど、やっぱり気になっちゃって。」
「ねぇ、その気になってる人ってどんな人なの?」
「1人は困っている人を放っておけなくて誰にでも優しいんですけど、実は意地悪なところもあって、でも時々見せる真剣なところとか子供みたいに笑うところとか色んな表情を持ってて素敵だなと思います。」
「なるほどね。それって太輔でしょ。」
「え、どうしてですか?」
その反応こそが太輔先輩であることを肯定しているようなものだとわかりながらも、いきなり当てられてしまったことの恥ずかしさを隠せない。
「だからAちゃん、わかりやすいんだって。それに私、結構勘がいいのよね。」
律子先輩が笑う。
そんなにわかりやすいのだろうか、私。
そうなのだとしたら、律子先輩には打ち明けてもいいのかもしれない。
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作者名:Pyon-co | 作成日時:2014年12月8日 20時