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「Aちゃん、ランチ一緒に外行かない?」

時計の針がまもなく昼の12時を差す頃、デスクにやってきた律子先輩が言った。

「あ、はい。」

ちょうどいい、律子先輩にモヤモヤする気持ちを相談してみよう。

「太輔と渉が席取っておくって先に行ってるの。」

「え。そうなんですか。」

太輔先輩が一緒・・・となると気になるのは隣の席。
もちろん里香ちゃんと視線が合う。
誘ってくれと言わんばかりの大きな瞳でこちらを見つめている。
律子先輩に相談するどころか、早速、里香ちゃんに協力する場面が訪れてしまった。

「律子先輩、今日里香ちゃんと一緒にランチする予定で。その、里香ちゃんも一緒にいいですか?」

「そうなの?うん、いいけど。じゃ席5人って連絡しておくね。」

律子先輩は太輔先輩たちに連絡を取り始めた。
里香ちゃんの嬉しそうな顔ったらない。

「A先輩、ありがとうございます!」

こちらに身を寄せて小声で言うと、里香ちゃんはメイクポーチを持って化粧室に走って行った。


太輔先輩たちの待つ店は会社の裏手にある小さなビストロだった。

こんなところにあったんだ。

店内はテーブル席が4席。
お世辞にも広いとは言えないが、綺麗で優しい雰囲気のあるお店だ。
どこかあのカフェに似ている気がする。

「ここ、ここ!」

横尾先輩が手を挙げて呼んでいる。
その隣に頬杖を突きながら窓を見ている横顔の太輔先輩が見えた。

「席、ありがとね。」

そう言って座る律子先輩に私と里香ちゃんが続いた。

「遅ぇーよ、律子。今日律子の奢りだからな。」

太輔先輩がいつものように律子先輩をからかった。
遅くなってしまったのは里香ちゃんがメイク直しに時間がかかったからだ。
それも太輔先輩を想う乙女心なので仕方ない。
むしろ私にはそれを羨ましく想う。
誰かのために可愛くありたいなんて、そんな気持ちもう何年も抱いていない。

「なんで私の奢りなのよ?!」

「それは、この間の貸しがあるからでしょ。」

と、口を挟んだのは横尾先輩。
その言葉に何も言えない律子先輩の頬が膨れる。

「貸しってなんですか?」

律子先輩が酔っぱらった事件を知らない里香ちゃんが聞く。

「この間ね、律子が俺らに迷惑をかけたの。」

横尾先輩が里香ちゃんに一生懸命説明し始めた。

「A、何食べる?」

太輔先輩がメニューを差しだしてくれた。

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設定タグ:Kis-My-Ft2 , 玉森裕太 , 藤ヶ谷太輔   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:Pyon-co | 作成日時:2014年12月8日 20時

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