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1日は24時間。
誰にも平等であるはずなのに、休日とはなぜこんなにも早く過ぎ去っていくのだろう。

今日は週のなかでも一番憂鬱な月曜日だ。

「A先輩!A先輩ってば、呼ばれてますよ!」

隣の席の里香ちゃんがこちらに身を寄せながら小声で言う。

「池崎くん!」

「あ、はい!すみません。」

急いで溝口係長のところへ行く。

「週明けからそんなんじゃ困るよ、まったく。」

「すみません・・・。」

「先週頼んでおいた資料のまとめは出来てるんだろうね?」

「はい、もちろんです。」

「それならいいが。」

溝口係長は怪訝そうな顔で続ける。

「15時から会議で使用する。50部コピーして会議室に持って行ってくれ。」

「わかりました。」

「あぁ、それとどうせ行くんだから会議の準備も頼んだよ。これ準備品リスト。」

そう言って手渡されたメモには殴り書きのように読めない字が並んでいる。

「あの、これ私1人で準備するんですか?」

「見ての通り、みんな忙しいからね。じゃぁ宜しく。」

まるで私だけ忙しくないような言い方だ。
溝口係長の指示はどうも毎回刺があるように感じる。
あからさまなものではなく、他人が気にもしない小さな嫌がらせだ。
それでも上司の指示に従うのは社会人として当然のことと自分に言い聞かせている。

これで資料ができてなかったら何を言われていたことか。
先週、藤ヶ谷先輩に手伝ってもらったおかげで助かった。

資料をコピーしに行くと、牧田律子先輩がいた。

「Aちゃん!」

「律子先輩、お疲れ様です。」

一緒に飲みに行ってから、律子先輩と呼ぶようになった。
コピーをセットし、律子先輩に言う。

「この間は先に帰ってしまってすみませんでした。」

「こっちこそ遅くまで付き合わせちゃって。私、酔っぱらっちゃって記憶が・・・。」

「ないんですか?!」

律子先輩が苦笑いする。

「よくやっちゃうんだ、私。何か変なことしてなかった?」

「大変だったよ、律子を連れて帰るのは。」

そう言ってコピー室に入ってきたのは藤ヶ谷先輩だった。

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設定タグ:Kis-My-Ft2 , 玉森裕太 , 藤ヶ谷太輔   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:Pyon-co | 作成日時:2014年12月8日 20時

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