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「え、宮田くん、いいの?」
「うん、いい。宮田も泊まりたいって言ってたから。」
そう言って裕太くんは微笑んだ。
住宅街の暗い夜道を街灯の明かりだけを頼りに歩く。
自転車を押しながらゆっくりと歩幅をすすめる裕太くん。
私の歩くスピードに合わせてくれてるのがわかる。
さっきまでみんなで騒いでいたせいか、夜の静けさが2人きりであることを妙に意識させる。
「そういえば裕太くんって、どうしてタマって呼ばれてるの?」
「あ、言ってなかったっけ?苗字が玉森っていうんだ。」
「珍しい苗字だね。」
「そうだね。あんまりいないかな。」
「それで、みんな玉って呼んでたんだね。私もみんなみたいに呼ぼうかな。玉くん?玉ちゃん?」
そう言った時、腕をつかまれ、裕太くんの方へ引き寄せられた。
ドキ・・・
「あ。ごめん、後ろからチャリが来るから待って。」
ドキドキ・・・
裕太くんに聞こえてしまいそうなくらいの近さ。
自転車が通り過ぎるのを確認すると裕太くんが言った。
「1つ聞いてもいい?」
「うん?」
「あの・・・太輔さんと付き合ってるの?」
「え?藤ヶ谷先輩?なんで?」
そう言い終えてから昨日のことが頭をよぎった。
手を握って頭を撫でてくれた藤ヶ谷先輩。
その優しい笑顔が浮かんだ。
でも、先輩と付き合っているわけじゃない。
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作者名:Pyon-co | 作成日時:2014年12月8日 20時