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「ごめーん、お待たせ。」

牧田先輩に続いて席に着いた。
目の前には横尾先輩がいて、斜め前には藤ヶ谷先輩がいる。

「A、せっかく定時で終わらせたのになんで来るの遅いんだよ。」

頬杖をつきながら藤ヶ谷先輩が言った。


“A”?!


「なに太輔が終わらせたみたいな言い方してるんだよ。
Aちゃんの仕事でしょ。」

と、横尾先輩が冷ややかにツッこむ。


横尾先輩にまで“Aちゃん”って呼ばれてる。

先輩たちが私をそう呼ぶのだと理解した後、
藤ヶ谷先輩だけは

“Aちゃん”

ではなく

“A”

って呼んでくれていることに何故か嬉しさを感じてしまう。


「ちがう、俺が終わらせたんだよ。
今日、定時30分前にアイツがAに仕事押し付けててさ。」

「マジで?アイツって、溝口だろ?」

「こらこら、君たち。
仮にも上司なんだから、溝口係長と呼びなさいよね。
で、アイツがなんだって?」

と言う牧田先輩に

「自分だって言ってるじゃん!!」

と、声を揃えてツッこむ2人につい吹き出してしまう。

「なんだよ、A。」

「あ、いえ。
藤ヶ谷先輩、今日は本当に助かりました。
ありがとうございました。」

「なんかあったら言えよ。
いつでも助けてやるからさ。」

また顔が赤くなってしまいそうだけど
薄暗い照明のおかげで気づかれないはず。

「なにそれ、太輔、私のことは助けてくれないくせに。」

牧田先輩が口をとがらせる。

「そんなこと言っても律子は助けなくてもできるじゃん。」

間髪入れずに言う横尾先輩に笑いながら激しく同意する藤ヶ谷先輩。

「渉の言う通りだな。
律子、お前は助けが必要ないわ。」

「ひどいな〜もう。」

そんなことを言って笑い合う先輩たちのなかに自分がいることが信じられなくて

なぜ私が?

という疑問を抱かずにはいられない。

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設定タグ:Kis-My-Ft2 , 藤ヶ谷大輔 , 玉森裕太   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:Pyon-co | 作成日時:2014年11月26日 23時

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