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カチャカチャカチャ・・・
キーボードを叩く音が虚しくオフィスに響く。
今日も残業。まだ当分帰れそうにない。
気づけばオフィスに残っているのは私だけ。
「はぁ。今日何時に終わるかな・・・。」
この会社に就職して2年目の冬。
毎日定時で上がっていた新人の頃が懐かしい。
デスクに置かれた資料を見てため息をつく。
「Aちゃん」
驚いてハッと顔を上げた。
いつの間にか向い合わせのデスクに牧田律子先輩が座っている。
牧田先輩は20代前半でスピード出世したキャリアウーマン。
でも世間で言われているような
“バリバリのキャリアウーマン”
というようなタイプではなくて、とってもお茶目で可愛らしい人。
今もデスクの上に身を乗り出し、パソコン画面の横から顔を覗かせている。
「牧田先輩!帰ったんだと思ってました。」
「ちょっと休憩しに行ってたの。」
「あの・・・“Aちゃん”って」
「だって名前、Aでしょ。」
でしょ。って、今までずっと「池崎さん」って苗字で呼ばれてたから。
急に距離感が近くなってビックリ。
「ねぇねぇ、明日の夜空いてる?」
「特に予定はないですけど、なんでですか?」
「一緒に飲みに行かない?太輔と渉も一緒。」
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作者名:Pyon-co | 作成日時:2014年11月26日 23時