Milky Way 6 (ページ46)

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245 epilogue 1 ページ46

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ばあちゃんが、死んだ。

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水仙の花に埋もれるように横たわっているばあちゃんは、口角がちょっと上がってて、まるで微笑みながら眠ってるように見える。

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この年になると、何度か葬式には出たことがあるが、棺桶の中はいつも決まって菊の花だった。

だから、ばあちゃんの祭壇も棺桶の中も、全部水仙の花で埋め尽くしたいってじいちゃんが言い出した時、俺は少し驚いたんだけど。

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そう言えば。

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ばあちゃんちの庭には、春になる頃、いつもたくさんの水仙が咲き乱れてたなぁって頭の中に朧げに浮かび上がる。

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「じいちゃん。ばあちゃんってさ、そんなに水仙が好きだったの？」

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何か言いたげに、ばあちゃんをじっと見つめたままのじいちゃんに俺が聞くと。

じいちゃんは、特別な花なんだ、と微笑んだ。

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じいちゃんの目尻にできる、笑い皺。

真っ白だけど、ふさふさと量の多い髪。

隔世遺伝だとよく言われる俺は、じいちゃんのふっくらした唇と、丸くて大きな目、…そしてこれはどうかと思うけど、撫でた肩をそっくりそのまま受け継いでいる。

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「…特別？どうして？」

「Aにとっては」

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じいちゃんが話し始めた時。

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「すみません、櫻井様。お花と弔電のご確認をお願いしたいのですが」

喪服の、この場の雰囲気にそぐわないような濃い化粧を施した葬儀会社の女性がじいちゃんに声をかけた。

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「はい、今行きます」

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じいちゃんは俺の肩をポンポンと二回軽く叩いて、その話はまた後で、というように立ち上がった。