Milky Way 6 (ページ13)

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212 お見通しページ13

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私は近所のスーパーへ行く途中にある公園のベンチに、一人座る。

お天気はいいけど今日はちょっと冷え込んでるからか、ほとんど人はいない。

いつも通る道沿いにある公園だけど、中に入るのは今日が初めてだった。

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ハァッと両方の掌に息を吹きかけて擦り合わせる。

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吐く息の、白さに。

喉から身体に染み入る、凍るような空気の冷たさに。

なんだかやけに生きてるっていう実感が湧いてくる。

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単純だなって…自分でも、そう思う。

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昨日はキスさえ拒んだカズと、さっき、ついその場の雰囲気に流されてシちゃったら。

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結局、自分が意地を張ってるだけなんじゃないかって思えてきた。

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昨日の夜は本当に、キスもイヤだった。

カズに触れられたくなかった。

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どうしてもカズがいなくなった後のことを一人で先走って考えて、悪い想像ばかりしちゃって。

どうせ私なんかって卑屈になってた。

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カズに背中を向けて泣きたいだけ泣き続ける私をうっとおしがるでもなく、カズはずっと私の頭を優しく撫でてくれた。

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どれくらいカズはそうしてくれていたんだろう。

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カズのその手の温かさに、いつの間にか気持ちが落ち着いてきて。

そのうち私はカズに背中を向けているのが辛くなっていた。

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カズの方を向いて、いつもみたいにカズの胸の中にすっぽり納まって、ギュッとされたくなってた。

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でも、意地っ張りな私は素直にそうすることができなくて、拗ね続けるフリをするしかなかった。

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だから、さっき翔クンからの電話中にカズが強引に私にキスしてきた時。

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翔クンにこっちの気配がバレたらどうしようって焦ってしまって、カズを咎める声も出せなかったし。

拒んでも拒んでも、なぜかカズはいつになく強引だったし。

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私はそれを受け入れざるを得ない状況でしか、なかったんだけど。

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私みたいな捻くれた意地っ張りには、そんな無理矢理、…みたいなシチュエーションに助けられた気がするの。

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…カズには、全部お見通しなのかな。