【刀剣乱舞】審神者Lv14の虚弱虫、ブラック本丸へ飛ぶ【弐】

第52話 ページ5

｢ばっ、馬鹿馬鹿そんなに言わないでよ……！｣

｢いいえ主様は馬鹿です！正真正銘の馬鹿！！！！｣

｢と、とにかく静かに…｣

｢……うるさい｣

｢ひぃっ……！？｣



声のした方を見ると大倶利伽羅さんが上半身を起こしてこちらを見ていた。

もしかしなくても怒ってるぅ…………



｢大倶利伽羅さん！！どう思いますかこの人！！！｣

｢……だからうるさい、こんのすけ｣

｢そんなこと知ってますよ！！！！｣

｢だったら静かにしろ｣



……最近思ったんだけど、こんのすけが騒がしいのって日常茶飯事なのかしら。

大倶利伽羅さん以外何事もないかのように寝てるし…………



｢おい、あんた｣

｢はっ、はいっ！？｣

｢一応あんたの管狐になったんだろ。大人しくさせておけ｣

｢すみません……｣



怒られた……いやまぁ知ってたけど…………

そう言って、大倶利伽羅さんはまた布団に潜ってしまった。



｢……怒られちゃったじゃん｣

｢むむぅ…………｣

｢手入れ中は、声のトーン落としてね｣

｢分かりました…………｣



不服そうなこんのすけに、続けて声をかける。



｢私が変な話したから大きい声出させちゃったんだよね、ごめん｣

｢…主様は、もっと人を頼るべきです｣

｢大丈夫、十分頼ってるよ｣

｢知ってますか主様｣

｢なぁに｣

｢大丈夫って言う人ほどすぐ無理するんですよ｣

｢へぇ、そうなんだ｣

｢主様のことを言っているのですがぁ！！！！｣

｢ちょっ、大きい声出しちゃだめ……！！｣



……その後はしっかり大倶利伽羅さんに怒られた。もはや言うまでもない。


すっかり日も暮れきった頃、やっと目の前に並んだ刀が全て綺麗になった。



｢んん、終わったぁ…………｣

｢お疲れ様です、主殿｣

｢ありがとうございます。
あ、ひざ掛け……持ってきてくれて、ありがとうございました｣

｢いえいえ。体調は如何ですか？｣



そう言われて、おでこに手を当てて体温を測ってみた。

…………うん、自分の体温だけじゃわかんないや、当たり前だけど。



｢……多分大丈夫じゃないかなぁ、と｣

｢適当言ってますよねぇ主様｣



横にいたこんのすけがじーっとこちらを見てた。

バレたかぁ。いやバレるよなぁ。



｢バレた？｣

｢恐らく主様が思っているよりは、主様の考えは顔に出てますよ｣



まじですか。

一応熱はなかったけど、その日は一期一振さんに言われて早めに寝ることにした。

多分それでも熱は出ます。私ですからｯｯｯ。

第53話→←第51話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す