第17話 ページ19
畳の匂いと、病院みたいな薬品の匂い。
誰かの話し声。
…………ここは、どこ？
｢ん………｣
｢お、起きたぞ薬研！｣
ゆっくりと目を開けると、目の前に顔があった。イケメンの。
……………なんで！？
｢うわぁあぁ！？！？｣
｢うおっ！？｣
勢いよく起き上がろうとした。
……けれど、目の前には見知らぬイケメンさんの顔があるわけで。
ｺﾞｯｯｯ
鈍い音をたてて、おでことおでこが激突した。
弾みで布団にひっくり返る。
｢痛っ…………じゃない、ごっ…ごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃ！！！！｣
猛スピードで身体を起こして、思いっきり頭を下げた。
そんな私を見て、全身真っ白な彼は心底楽しそうに笑う。
｢はははは！俺を驚かせるとは、すごいなぁ主！｣
そんな彼の衣服や腰の刀が目に入り、ここが本丸だということを思い出した。
………刀剣男士様に頭突きしてしまった。
下手したら私死んでた、絶対死んでた……………
そしてこの方の名前が全く分からない。………詰んだ。
というか…あれ？
私、大広間にいなかったっけ？
途中から記憶がすっぽり消えているのですが。
｢何やってるんだ、鶴丸の旦那｣
｢〜〜〜っ！？！？｣
背後から突然声がして、身体が思いっきり跳ねた。
後ろを振り向くと、眼鏡に白衣、ショートパンツの男の子。
………待ってぎりぎり名前わかるかもしれない、確か藤四郎ってついてるはず。名前に。
薬に研究の研で………薬研藤四郎さんだ、確か！
………読み方は全く分からないが！！！！
｢おっと、すまない大将。驚かせたな｣
そう言って、白衣の彼は私の横に来て腰を下ろした。
｢もう体調は大丈夫か？｣
｢え、えぇと…………？｣
｢主、もしかして大広間で倒れたこと覚えてないのか？｣
・・・。
私が、大広間で倒れた？
｢多分原因は疲労だから、休めばよくなるぜ。まぁ、あんだけ緊張してたら疲れもするだろ｣
そりゃあ途中から記憶がないわけだ。倒れてるんだから。
つまり、何？
私は皆様の前で倒れた上に別の部屋まで運んでいただき、その上看病までしていただいたと？？？
一気に顔から血の気が引いた。
｢ごめんな、さ…………｣
｢うわっ、なんで泣くんだ主！？｣
｢み、皆さん怪我してるのに、迷惑かけて、ごっ、ごめんなさっ……｣
泣きたくないのに勝手に涙が出てくる。
……あぁ、また迷惑かけてる。
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雪 - とても良かったです( ´艸｀)続きが気になります(´ｰ｀) (2020年12月26日 21時) (
レス) id: ed2686deb5 (このIDを非表示/違反報告)
花梨(プロフ) - 雪乃さん» ありがとうございます！更新頑張りますね！ (2020年12月22日 21時) (レス) id: ca517f1ee4 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃 - このお話めっちゃ好きです！続き楽しみにしてます！ (2020年12月22日 16時) (レス) id: 04eef4e4b1 (このIDを非表示/違反報告)
花梨(プロフ) - イッヌの毛さん» ありがとうございます！伸びるように祈っててください！w (2020年11月20日 23時) (レス) id: ca517f1ee4 (このIDを非表示/違反報告)
イッヌの毛 - 面白い！絶対伸びる！ (2020年11月20日 20時) (レス) id: e2d97a71dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らび | 作者ホームページ：
作成日時：2020年10月18日 23時
