第18話 ページ20
｢泣くな大将。別に誰も迷惑だなんて思ってないぜ｣
｢そうだぞ、主は細っこくて軽いから運ぶのも楽だったしなぁ。ちゃんと食べてるか？｣
そう言って白い彼は私の頭をわしゃわしゃと撫でる。
白衣の子は、私が落ち着くまで背中をさすってくれた。
少し経って、涙がやっと止まってきた。
｢あの、本当に、ごめんなさい………｣
｢いいさ｣
｢その、泣いたら許されるって思ってる訳じゃなくて、なんか勝手に涙出てきちゃって………
え、えと………許されるとは思ってないので…捨てるなり斬るなり焼くなり好きにしてください………………｣
｢捨てないし斬らないし焼かないぞ。
それに、迷惑じゃないって言っただろ？｣
｢………ごめんなさい｣
｢主はすぐ謝るなぁ。誰も怒ってないぜ？｣
｢ご、ごめんなさ……じゃない、えぇと…すみません…じゃなくて……ああぁ…………｣
｢大将……｣
白衣の子に呆れたように笑われた。
………私から謝罪を取ったら完璧に語彙が消えるらしい。ダメだこれ。
｢さて、自己紹介がまだだったな。
俺っちは薬研藤四郎。で、こっちが……｣
｢鶴丸国永だ。よろしくな、主！｣
｢よ、よろしくお願いします…………｣
………やげんって読むんですね。やくけんだと思ってました…………
そして貴方が鶴丸さんだったんですね初めて知りました…………………
あとくにながじゃなくてこくえいだと思ってました。大変申し訳ございませんでした。
｢大将、食欲はあるか？｣
｢は、はい｣
｢じゃあ燭台切の旦那から夕餉を貰ってくる。ちょっと待っててくれ｣
｢え、ぁ、ごめんなさい…｣
｢そこはありがとう、だろ？｣
｢あ、ありがとうございます｣
｢ん、よし。じゃあ行ってくる｣
私の返事に満足そうににかっと笑った薬研さんは、白衣を翻して部屋から出ていった。
そっか、ありがとうって言えばいいのか………
｢あ、あの｣
｢ん？どうした主｣
｢私をここまで運んでくれたのって鶴丸さん、ですよね……？｣
さっき、細っこくて軽いから運ぶの楽だったって言ってたし。
｢あぁ、そうだが……謝らなくていいぜ？｣
｢あ、えと、そうじゃなくて………ありがとう、ございます｣
｢ははは！うんうん、謝られるよりそっちの方がいいな！｣
そう言ってまた、鶴丸さんは私の頭を撫でた。
………そういえば、頭撫でられたのなんて何時ぶりだろう？なんか…くすぐったい。
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雪 - とても良かったです( ´艸｀)続きが気になります(´ｰ｀) (2020年12月26日 21時) (
レス) id: ed2686deb5 (このIDを非表示/違反報告)
花梨(プロフ) - 雪乃さん» ありがとうございます！更新頑張りますね！ (2020年12月22日 21時) (レス) id: ca517f1ee4 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃 - このお話めっちゃ好きです！続き楽しみにしてます！ (2020年12月22日 16時) (レス) id: 04eef4e4b1 (このIDを非表示/違反報告)
花梨(プロフ) - イッヌの毛さん» ありがとうございます！伸びるように祈っててください！w (2020年11月20日 23時) (レス) id: ca517f1ee4 (このIDを非表示/違反報告)
イッヌの毛 - 面白い！絶対伸びる！ (2020年11月20日 20時) (レス) id: e2d97a71dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らび | 作者ホームページ：
作成日時：2020年10月18日 23時
