捜索50日目 ページ3
私は成瀬の腕の中から出た
「ん?」
ここでやっと冷静になり気づいた
ここは成瀬の家
初めて入る異性の家
それに気づき顔が赤くなるまで時間はかからなかった
「何赤くなってんだよ」
「えっと....」
「今になって気づいて恥ずかしくなったのか?」
「煩い!」
「図星か」
けたけた笑っている成瀬
「もう帰る」
私は恥ずかしくなって立ち上がった
「待てよ」
「ひゃっ!」
腕を引っ張られ、成瀬の腕の中に逆戻り
「ちょ、離してよ!恥ずかしい....」
手で顔を隠す
「如月って明日休みだよな?」
「うん、久しぶりの休暇だけどそれがどうかしたの?」
「なら今日“泊まる”か?」
「へ!?」
思ってもみなかった単語に素直に驚いてしまう
「冗談だよ、如月にその気があるならいいけど」
「な、ない!」
「えー、ちょっと残念」
「むぅ」
私は頬を膨らませ、拗ねる
「からかって悪かったって」
「許す」
「ははっ!」
「もう、何で笑うのよ!」
「そんな簡単に許していいのか?」
笑いながら聞いてくる
「いいよ、嫌われるより全然いい」
「なんだよ、可愛いな!」
「ちょ、やめてよ!」
笑いながら私を抱きしめる成瀬
満更でもないけど嬉しかった
恥ずかしくて言葉に出来ないけど
「さてと、如月を家まで送りますか」
「別に大丈夫だよ、一人で帰れる」
「駄目だ、如月は一人でいると何があるか分かんねぇからな」
「貶してるね」
「不機嫌になるなよ〜」
「もう!」
結局、送ってもらうことになった
「明日どっか出かけるか?」
「え、成瀬も休みなの?」
「有給取った」
「え、何で?」
「如月が休みの日なんてあんまりねぇだろ、合わせたいんだよ」
「!」
「(成瀬って意地悪だけど、こういう所優しいよね)」
「うん、明日出かけたい!」
「なら決まりだな、午後からがいいか?」
「どっちでもいいよ!」
「それなら1時ぐらいから、家まで迎えに行く」
「何で?」
「待ち合わせが心配だからな」
「えぇ〜」
「待ち合わせしたいのか?」
「憧れてるの、待ち合わせしてからのデート」
駅とかで友達と待ち合わせるとき、よく見かけていた
見かけるたびに憧れ意識が高くなっていった
「分かった、駅前で待ち合わせしよう」
「いいの!?」
「その代わり、絶対早く来るなよ?」
「分かった!」
家の前に着いた
「じゃあ、明日ね」
「あぁ、おやすみ」
「おやすみ」
家の中に入った
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作者名:伊東と田中 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Miku0417Mi1/
作成日時:2019年10月8日 18時