行方不明の兄を探します。

捜索３０日目 ページ31

「ん〜楽しかったな」

久しぶりに服とか買ってみた

「休みもいいもんだな」

仕事するのも楽しいけど息抜きが必ず必要だ

カツカツ

「！」

私は忘れてしまっていた

ストーカーがいることを

カツカツ

「(怖い！)」

実家まではまだ少しある

この前はたまたま成瀬がいたからよかった

でも今回は違う

助けになる成瀬は今仕事中だろう

「っ」

私は近くに交番があることを思い出しそこまで全速力で走った

「(もうすぐ、お願い！)」

交番に入るとそこには警察官がいなかった

「嘘....」

今はパトロール中らしい

「！」

私は反射神経で扉の鍵を閉めた

「ヒッ」

外には知らない男がいる

その男は扉を開けようとしている

「っ」

私は机においてある電話で助けを求めた

「どうされましたか？」

「す、ストーカーがすぐそこまで迫ってきてて....」

「すぐに向かいます！」

私は少しだけ安心できた

でもガチャガチャしてて今にでも入ってきそうな男

その姿は見るだけで恐怖を呼び起こすほどだった

「早く、早く来てよ！」

もし鍵が開いても入られないように扉を押す

「大丈夫ですか！？」

やっと警察官が到着した

男はその場で現行犯逮捕された

「ふぅ」

「到着するのが遅れてすいません」

「いえ、何もなくてよかったです....」

それから事情聴取をされ、家に帰った

「ただいま」

「おかえり、遅かったわね」

「えっとね....」

私はさっきまであったことを母さんに話した

「えぇ！？」

「でも警察官に捕まえてもらったからもう大丈夫だよ」

「何もなくてよかったわ....」

「でも明後日まではここにいるよ」

「そうなの？」

「仕事でさ、いつもより遅くなるから」

「そう、頑張ってね」

「うん」

母さんは私のしたいことを尊重してくれる

総務部に入ったことだってしんどい仕事ばっかりで最初は反対してたけど認めてくれた

母さんには本当に感謝している

「いつもありがとね」

「急にどうしたの？」

「なんとなく！」

私は恥ずかしくなって走って部屋まで戻った

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