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神子柴君と病院 ページ33

槇島千佳が病室に来るとそこには誰も居なかった。

病院中を探しても見つからない。


「…神子柴?」

「おー、槇島。」


驚いて振り返ると神子柴は点滴の台を掴んで立っていた。

其の手には新聞が握られている。


「…何してるのアンタ。」

「新聞買いに。って、もしかして探したか?」


神子柴は単に心配して言ったのだが千佳は馬鹿!と言ってそっぽを向いてしまった。


「ごめんて…悪かったよ。」

「私が調査に行ってる間に怪我なんて…馬鹿だね本当に。」

「それは…悪かったと思ってる。」

「刺されたのが心臓じゃなくて良かったわね。」

「そうだな、っ…」

「痛いんでしょ?全く無茶するんじゃないの、新聞くらい買ってきてあげるのに…
ほら、戻るよ。」


千佳が神子柴の体を支えて病室へと戻る。

青いケースに入れられたイヤーカフが煌めいている。


「これ、神子柴がいつも付けてるやつ?」

「まーな、看護師の人に取れって言われた。」


千佳は思わず笑ってしまった。

それを見て神子柴も微笑む。

光が差す病室は何処か殺風景だ。


「にしても、神子柴が新聞?何に使うの?」

「いや…嗚呼、ほら。」


大きな見出しで「幻想学園校長、殺人の容疑で逮捕」と書かれている。

其処には幻想学園演劇部副部長、近藤の名前と神子柴の姉の名前が入っていた。

勿論、今までの殺人事件の事も。


「今まで、って…これ…」

「幻想学園創設より200年以来の七不思議、奇妙な殺人事件…七不思議を全部言ってみろ槇島。」

「えっ…『保健室の養護さん、ベッドに引き連れ首締める。理科室模型のお二人さん、歌って殺して真っ赤っか。屋上幻覚帰れない、甘い紅茶は死体の香り。永遠廊下の真っ暗闇、歩いて歩いて死んじゃった。部室に籠るは探偵さん、お次に死ぬのは私かな。幻想学園幻想祭、一人死んでまた来年。幻想学園伝統儀式、神を殺して悟られぬ。』だよね?」

「今まで其れを繰り返してきたんだ、200年。」

「どういう事!?」

「保健室から始まって最後に死ぬのは…ってな、最後は俺だ。」


千佳が神子柴を叩く。

頬が赤い。


「…なんで、何でそういう事言うの!?」

「今年は7ッ目の年、7ッ目は必ず二人殺されるんだ。」

「だからって…」

「何か勘違いしてねぇか?…未遂だっつーの。」


千佳はハッとした校長が明菜を刺そうとした理由、其れは神子柴が必ず助けに入ると判っていたから。

ゾゥッと寒気がした。

神子柴君と昔話→←神子柴君と病室



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龍巳@キチガイ - 睡眠酸素さん» じゃあ次のキャラデザ要求いつかしますんで!待っててね!!それまでにお仕事見つけてね!!!!!! (2017年1月10日 21時) (レス) id: 3d3a9ea8a1 (このIDを非表示/違反報告)
睡眠酸素 - oh…イメージ通り過ぎて逆に怖いっていうかすげぇええええ!!!素敵ウワアアアアめっちゃ楽しみってか次の小説も出たい! (2017年1月9日 22時) (レス) id: 397257de9d (このIDを非表示/違反報告)
龍巳@キチガイ - 【 】nanashiさん» は?何言ってんすか名無しさん文才まじください (2016年12月18日 19時) (レス) id: 7edea2d573 (このIDを非表示/違反報告)
【 】nanashi(プロフ) - 龍巳@キチガイさん» やばい、自分がこの中にいる!津原から聞いてるけどまさかこれ程とは、文才ください。 (2016年12月16日 16時) (レス) id: 1572cb3dd0 (このIDを非表示/違反報告)
龍巳@キチガイ - みるくらいす(紅茶10%)さん» 絵描いてー (2016年12月15日 20時) (レス) id: 7edea2d573 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:龍巳@キチガイ | 作者ホームページ:ホームページの追加は禁じます。  
作成日時:2016年11月18日 19時

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