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『ごめん、ありがとう2人共。』

床に散らばった教科書を拾い、助けてくれた2人にお礼を伝える。
 
 
 
「つーかお前、なに先輩と揉めてんの?
俺達が来たからよかったけど…。」
 



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 
 
『グリムと話すのに夢中で前見てなくて、それで先輩にぶつかっちゃって。』
 
 
ほんとの事を言ったらこの2人の事だ。先輩達の所へ殴り込みにでも行くだろう。

これ以上迷惑はかれられない。

 
 

 
 
 
 
 

 
 
 
『…って、あれ?!??グリムは?!』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 



確か突き飛ばされた時に本と一緒に落ちて…
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
「…おい、この植木にささってるのって…。」



『グリム…!』
 
 
 

グリムはすぐ横にある植木に頭から突っ込んでいた。
 






 
 
まさか打ち所が悪くて気絶してるんじゃ…!!


 
 
 
 
 


 
 


 


 
 
「…スピー…スピー……」
 
『…。』


慌てて植木から引っ張り出すが、グリムは寝息を立てながら眠っていた。
 


エースくんとデュースくんは「人騒がせなやつ」と笑っていたが、私がグリムを抱えて立ち上がるのと同時に真剣な表情になった。
 




 

「…なぁA、学校にいる間だけでも俺達と一緒にいないか?
そしたらさっきみたいなやつに絡まれてもすぐに助けてやれる。」
 
 
「そーそー。
お前みたいなちっこいのが1人でいるから絡まれんだよ。
正直助けんのとか面倒だけど、登校初日からの縁じゃん?もし絡まれても貸しとして助けてやるよ。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
2人の真剣な目を見ていると、素直に頷いてしまいそうで怖い。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


私は俯き、頭を横に振った。
 
 
 
 
 
 






『グリム、頭打ったかもしれないし、一応保健室に連れていくね。』
 


 

「なら俺達も…」というデュースくんの言葉に被るようにチャイムが鳴った。

 
 
 
 
私はもう一度2人にありがとうと伝えて、保健室へ向かった。

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作者名:ぐう | 作成日時:2020年5月6日 23時

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