脱獄物語【約ネバ】

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「でも驚いたな
常日頃本を読んでるレイとAはともかく…」

「エマがあの蔵書票に気づいていたとはな」


確かに
エマが気づくなんて


「気づいてないよ

あれ気づいたの私じゃない

フィルが見つけて教えてくれたの」

「道理で」

『納得』

「ん？それどういう意───」

「え…
ドンとギルダは?」


たどり着いた食堂はワイワイ騒いでおり、いるはずの二人がいない


「食料庫(こっち)にもいない!」


素早くノーマンが確認をしてくれたがどこにもいない

まさか…！


焦っていたらドアからドンとギルダが入ってきた

エマはほっとしているみたいだがレイは怒っている

当たり前だ

私がレイの立場なら同じ気持ちだろう






────────
「入ってきたよ
秘密の部屋」

『ママには?』

「気づかれていないと思う(・・)

鍵ももう返したし………多分(・・)…」


「馬鹿なことをしてくれたな

ママやシスターにバレてお前ら…

いや俺達全員」

「殺される───か？

騙しやがって

だってコニーはコニー達はもう──」


これは反応をみるため

でもエマは気づかない


「ごめん…ごめんなさい!!」


馬鹿…


「何隠してる?

全部話せよ」


そしてエマがここの真実について二人に話し始める




────────
「鬼…農園?


レイがスパイ？

Aも何年も前から知ってたのか?



じゃあレイとAは

あの日コニーがどうなるかわかってたのか

エマとノーマンは俺達を敵だらけの世界(そと)へ

騙して連れていこうとしてたってわけか」


確かにその通りである

ドンは急に笑い出したかと思うとノーマンとレイを殴った


今度はエマの胸ぐらを掴むが、構えるだけで殴ろうとはしなかった


「そんなに「荷物」かよ


嘘つく理由くらいわかってるよ

全て俺達を守るため───だろ?


けどさ

家族だろ

兄弟だろ

少しは信じてほしいんだよ」


ドンの心の叫びを聞いた

ああいうふうに思っていてくれてた

最初から真実を話していた方が良かったのかもしれない

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