失敗七つ目 ページ9
「小娘!!今すぐそこから逃げろ!!」
国木田さんが私に向かって怒鳴りながら私の周りを固める大男を倒していく。
私も体術で応戦する。守られるばっかりなのは癪だ。
私が最後の一人の肩の関節を外し、顎を蹴り上げ気絶させた後、国木田さんが話しかけてきた。
「おい。小娘。貴様は一体何者__」
しかし国木田さんは、そのセリフを最後まで紡げなかった。
何故なら____
『…っっ!?』
国木田さん目がけて飛んでくる弾丸を私が庇って撃たれたからだ。
でも、何故だかこの身体に走るべきであろう激痛がいつまで経っても来ないのだ。
かわりに来たのはなんとも形容しがたい不快感。
風穴を開けられた様な、それでいて痛みはない___なんとも奇妙な感覚だ。
気持ち悪い。
これが正直で率直で最も的を射た解答だ。
「君、もしかして異能力を__?」
何時の間にか敦くんと太宰さんが居た。皆さん揃って目を丸くしている。
って異能力?私は異能力を発動した覚えはないけれど…
撃たれたはずの右胸を見やる。それは、目を疑う光景だった。
負傷したはずの右胸から止めどなく紅い花弁があふれでているのだ。
咄嗟に撃たれた右胸を手で抑える。出来るか解らないが、止まれと念じる。
そっと手を離すと先程まで流れ出ていた華が風に乗って舞い上がった。
右胸を見ると、そこには最初から何もなかったかのように傷一つなかった。
それどころか、服まで再生している。
これは、一体____?
「貴女はどうやら異能力をその身に宿している様だ。それもとても珍しい異能力を…ね?」
私は砂色の外套を身に纏う蓬髪の男性を見上げる。
彼は、口元に柔らかい笑みをたたえながら、しかし、探るような瞳で私を見下ろしていた。
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アイカ(プロフ) - え、お、お、おわりぃぃぃぃぃぃぃ!? (5月20日 22時) (レス) @page22 id: e5fba66b1e (このIDを非表示/違反報告)
文ストオタクの一般人 - 良ければ続きが見たいです!とても面白かったです! (2023年3月12日 0時) (レス) @page22 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
三斗 - ぇ…終わっちゃったんですか・・・?続きかければ書いてください!絶対読みます‼ (2022年6月14日 22時) (レス) @page22 id: 9ad11557a3 (このIDを非表示/違反報告)
畳山 - 続きが楽しみです!! (2019年1月7日 18時) (レス) id: b83d4428ba (このIDを非表示/違反報告)
美花 - 国木田さん良いですよね。 小説面白かったです。 (2018年10月7日 8時) (レス) id: f78291fe45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神理 | 作成日時:2016年10月1日 12時