失敗十個目 ページ12
『…それは…』
どうしたら良いのだろう。頭をフル回転させて必死に考える。
私なら、何かしら思いつくはず。いつも失敗を誤魔化す時のように。
考えろ。親が居なくても異能力を持っていても、普段から武装していても可笑しくない境遇を。
「どうしたんだい？早く言って見給え。」
太宰さんがまた追い討ちをかけてくる。
いっそのこと逃げてしまおうか。そんな考えが頭をよぎり、太腿にしまっている2丁拳銃を見やる。
…拳銃。
そこで私は閃いた。元の世界じゃ出来ない、この仮想都市＿＿ヨコハマだから出来る言い訳を。
『私の両親は…ポートマフィアに殺されました。惨い死でした。』
「「「？！」」」
皆一様に驚く。こんな幼い…と言っても見た目は17.8歳の少女が親を殺されたと言うのだから。
『私の両親は情報屋でした。そこそこ有能な…名はあまり知られてませんが。』
私は過去の痛みを思い出しているような表情を
浮かべる。
『彼等は自分の情報を隠滅するのが上手かった。でも、ふとした時にポートマフィアの最重要機密を握ってしまった様です。』
目を伏せる。悲壮感溢れる瞳、噛み締めた唇、握り締めた震える拳。
「もう、良い。分かったよ。不躾な質問をしてごめんね。えっと…」
『Aです。此方こそすみません。つい喋りすぎてしまいました。』
そこで無理をしたように微笑む。きっと周りからみたら痛々しい光景だろう。
私の迫真の演技はどうやら取り敢えず、という形ではあるもののあの太宰さんを欺けたようだ。
一時はどうなるかと思った…
「君、家は？住む所とかはあるの？」
敦くんが問いかける。でも私はその辺の心配はない。
『えぇ。遠い親戚の方…今は老衰して他界してしまいましたが…その方が生前買ったマンションの一室で暮らしております。』
国木田さんはそうか、と言うと太宰さんとなにやら小声で話出した。
「Aちゃん、この後暇かい？」
『えぇ、まぁ特に予定はありません。』
すると太宰さんはにっこり笑ってこう言った。
「じゃあ、私達とお茶しようか！」
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アイカ(プロフ) - え、お、お、おわりぃぃぃぃぃぃぃ！？ (5月20日 22時) (
レス) @page22 id: e5fba66b1e (このIDを非表示/違反報告)
文ストオタクの一般人 - 良ければ続きが見たいです！とても面白かったです！ (2023年3月12日 0時) (レス) @page22 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
三斗 - ぇ…終わっちゃったんですか・・・？続きかければ書いてください！絶対読みます‼ (2022年6月14日 22時) (レス) @page22 id: 9ad11557a3 (このIDを非表示/違反報告)
畳山 - 続きが楽しみです!! (2019年1月7日 18時) (レス) id: b83d4428ba (このIDを非表示/違反報告)
美花 - 国木田さん良いですよね。 小説面白かったです。 (2018年10月7日 8時) (レス) id: f78291fe45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神理 | 作成日時：2016年10月1日 12時
