…好きだ。 ページ31
Aは目を丸くして周りに集うメンバーを見返した。誰も彼も、嘘はついていないように見えた。
『…ほん、とうか？俺、みんなといていいんだよね？』
Tn「当たり前やろ。」
『トントン…大先生…』
思わず聞くと、いつの間に帰ってきたのかトントンと大先生もメンバーの意見に同調するかのようにそういった。
Ut「Aちゃん、あいつになんか言われたと思ったらそういうことね。少し扉の前で立ち止まって聞いてからあいつを帰してきた甲斐あったわ。」
Tn「お前はなんも心配せんでええ。俺らの思いはみんな一緒や。」
『…トントンも、すき？』
Tn「…あぁ、大好きや。だから、気楽にここにいろ。」
トントンの微笑みに、ふっと何かが軽くなって、またAはグルッペンに体を預ける。それをグルッペンは顔を上げさせ、ちゅっと人前にも関わらず軽くキスを落とした。
『っえ、』
Gr「…A。好きでもないやつにこんなことするほど俺は尻軽に見えるか？俺が、お前にした事が全て嘘だと思うのか。」
Aのはちみつ色の瞳を深紅の双眸が覗き込む。それに、Aは答えるようにこう言った。
『…思、わない。グルッペンが一途なのは生活してて分かったから。グルッペンはそんなこと、しない。』
Gr「そういうことだ。俺たちはお前をただの食料だとは見ていない。たった1人の家族で、大切な、俺たちの愛しい人。それとも…お前は俺たちが嫌いか？」
『…ううん、好きだよ。個性的で癖があって、でも一途で、数え切れないくらい俺に優しく、時に意地悪しながら愛してくれてた。…大好きだ。』
Gr「そうか。嬉しいな。」
安堵したようににへら、と笑うAをグルッペンは強く抱きしめた。Aもそれを抱き締め返して、微笑む。
Kn「…グルッペンばっかずるい。」
Sha「むぅ…」
傍らで見ていたメンバーの小言が聴こえて、Aは一旦グルッペンから離れ、メンバーに向かって、
『俺の胸貸してあげるから、好きって言って。』
と、腕を広げた。それに少しメンバーは戸惑ったものの、ゾムがそこに飛び込んだのを見て、己もAの頭を撫でたり、安心させるように何度も自分たちの言葉は嘘じゃないと、お前のことはとても大好きだと、伝えた。そんな中でAは幸せな気分になりながらも1つ、あることが頭の中に浮かんだ。
『(…もっと、濃く、繋がれればいいのにな。)』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 396人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まつり(プロフ) - 完結おめでとうございます！！いや、もう、ほんとにノアさんの物語の完結させ方が大好きすぎます！やばい！好き！（語彙力）夢主ちゃんもドタイプですし、最高です！お疲れ様でした、ありがとうございました！ (2020年10月14日 20時) (
レス) id: 83f48e582b (このIDを非表示/違反報告)
漣@音ゲー民(プロフ) - 完結おめでとうございます！初期から楽しく見させていただき、日々更新を楽しみにしていた癒しの作品が完結となると…寂しくなりますね（笑）何はともあれ大好きなハピエンで嬉しいです。素敵な作品ありがとうございました！！！！ (2020年10月14日 16時) (レス) id: 2c758a340b (このIDを非表示/違反報告)
ふわ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！連載当初から興味を持ちどんな展開になるのだろうと思いながら読まさせて頂きました！素敵な作品を書いてくださりありがとうございます！！ (2020年10月14日 1時) (レス) id: 811a4cfa4f (このIDを非表示/違反報告)
真由(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初から最後までとても楽しく読まさせて頂きました！ハラハラする場面も多くドキドキしましたがハッピーエンドで終わって良かったです！長い間お疲れ様でした！ (2020年10月13日 23時) (レス) id: 045f50c8f8 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - Ｒさん» ありがとうございます！寂しい…ですか？そう言っていただけるとは嬉しいです！ぜひぜひ何度も読み返しちゃってくださいね！ (2020年10月13日 21時) (レス) id: c0349a147b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
