ゞ ページ22
最初に動いたのはトントンで、俯くAの体を自分の方に向かせ、顔を上げるとその顔を覗きこんだ。
Tn「…なら、この雷が気にならなくなるくらいのこと、してあげようか？」
『え…？』
次の瞬間、トントンはメガネを外し、Aの柔らかな膨らみの間に顔を埋めた。それに驚いたAはトントンの肩を押そうとしたが、それを後ろからエーミールが抑え、手を絡める。
Em「あぁ…そんなに警戒しないでください。何も、痛いことはありませんよ。怖がらないで、貴方の力になりたいんです。」
Aの耳元でさっきとは違う低い声で囁く。耳が弱いAは力が抜けてしまう。うなじと胸に暖かい息がかかり、違う意味で身を震わせた。
『なに、を…』
Tn「お前、俺らが女性経験ないからって油断しとったらあかんよ？はー…いーい匂い…」
Em「えぇ本当に。俺たちやって吸血鬼やのになぁ…誰でもこんな姿見たら…食べたくなるというのに。」
『んっ…！』
プツリと牙が刺さる音がして、Aは身を引き締めた。そして徐々にじんわりとした熱さと吸われる感覚に侵されていく。どくりどくりと血が流れ出る音が聞こえるくらい、心臓が高鳴っていた。
Tn「あっま…それにこの噛み心地…ちょうどいいやわさやなぁ…」
Em「今の今までこうじっくりと味わった事があったでしょうか…改めて味わうと、あなたは本当に素晴らしい…」
『う、んやっ…！』
Tn「こーら、そんな可愛い抵抗せんといて。お前が悪いんやで？そんなかっこでここ来るから。」
『んひゃあっ…』
薄くふわりとした服の下にあるスラリとした脚をつつっと撫でれば、甘い声を上げる。
Em「おやおや、なんとまぁいい声で鳴きますね…その声を他の輩にも聞かせているんですよね？ちょっと、羨ましく思います。」
『お前らが…そうさせたんだろっ…！』
Tn「それもそうやなぁ…けど、俺らみたいなのも夢中にさせたのはお前やで？少しくらい、ええやろ。」
『ひ、あ…』
べろりと舌を這わし、うっとりと答える2人に、見たことも無い2人に、Aは動揺するばかりだった。
Tn「…そろそろおやすみの時間やで。んっ…」
『いっ…あ、』
トントンが深く牙を突き立てた途端、頭がぼんやりとしてくる。前にシャオロン達に使われた、麻酔と同じ感覚だった。
Em「今夜は私たちが寄り添っていますよ。安らかに眠ってて下さいね。」
その言葉を最後に、Aは眠りに落ちた。もう…雷は鳴っていなかった。
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まつり(プロフ) - 完結おめでとうございます！！いや、もう、ほんとにノアさんの物語の完結させ方が大好きすぎます！やばい！好き！（語彙力）夢主ちゃんもドタイプですし、最高です！お疲れ様でした、ありがとうございました！ (2020年10月14日 20時) (
レス) id: 83f48e582b (このIDを非表示/違反報告)
漣@音ゲー民(プロフ) - 完結おめでとうございます！初期から楽しく見させていただき、日々更新を楽しみにしていた癒しの作品が完結となると…寂しくなりますね（笑）何はともあれ大好きなハピエンで嬉しいです。素敵な作品ありがとうございました！！！！ (2020年10月14日 16時) (レス) id: 2c758a340b (このIDを非表示/違反報告)
ふわ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！連載当初から興味を持ちどんな展開になるのだろうと思いながら読まさせて頂きました！素敵な作品を書いてくださりありがとうございます！！ (2020年10月14日 1時) (レス) id: 811a4cfa4f (このIDを非表示/違反報告)
真由(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初から最後までとても楽しく読まさせて頂きました！ハラハラする場面も多くドキドキしましたがハッピーエンドで終わって良かったです！長い間お疲れ様でした！ (2020年10月13日 23時) (レス) id: 045f50c8f8 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - Ｒさん» ありがとうございます！寂しい…ですか？そう言っていただけるとは嬉しいです！ぜひぜひ何度も読み返しちゃってくださいね！ (2020年10月13日 21時) (レス) id: c0349a147b (このIDを非表示/違反報告)
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