結晶が十二つ ページ14
Tn side
一瞬何が起きたか分からなかった。Aから、自分が商品呼ばわりされて、実験台みたいな生活を送っていたのを徹夜続きの頭で聞いたから機嫌悪く低い声で話してしまって、やはり許せないと思っていたら、突然の柔らかい感覚。と、同時に服越しに感じる確かな膨らみとその子から香る昨日シャワー浴びた時に付いたであろうシャンプーの匂いに頭は一気にショートした。
Tn「は…ぇ…？」
『…無理、しないでくださいね。』
なんて言われながら頭も撫でられたものだからたまったもんじゃない。嫌とかではないんだけど、ただDTな俺にはいきなり異性から抱きしめられるなんて経験皆無だ。思わず顔をあっつくして呆然と行き場のない手をふよふよさせていた所をグルさんに助けられて、事なきを得た。
Gr「…良かったじゃないかトン氏。」
Tn「〜〜っ！るさい…お前も抱きしめられてたやろ…」
Gr「悪くはなかったな。だが…少し心配だ。」
Tn「せやな…多分、その異性に関する接し方を知らないんやろうな。ずっと建物に閉じ込められていたんだから無理はないけど。」
どこで抱きしめられれば癒されるなど聞いたのかはおいといて、それをやる相手を選ぶべきということまでは知らないのは、明らかにここに来る前の環境のせい。あの無知ゆえに俺たち以外にあれをやらかしそうで心配やわ…
Tn「しばらくそばにいてやった方がええなぁ…」
Gr「無知なら、教えればいいさ。俺とトン氏で、2人なりの教え方で、ゆっくりと…な。」
Tn「…そうやな。」
俺たちの元に来たからには時間なんてあまりに余っている。あの子のいた施設を潰すという目標を立てたからと言って、暇も無いわけじゃない。あの子が知らないことは教えていけばいい。
Gr「買ったといえど…俺はあの子を商品とは思ってない。むしろ異性として見てる。お前もそうだろ？」
Tn「えっ」
俺が驚いているうちにグルさんはさっさと部屋を出ていってしまい、俺はぽつんと立っていた。…先程、抱きしめられた時から燻るこの気持ち…
Tn「まさか、な…」
………
トン氏を1人残し、俺は廊下を歩く。あの様子だと恐らく気づいていないな。知らずにAに惹かれてしまったことを。
Gr「俺さえも、柄にもなく一目惚れとは…」
今の今まで異性には興味なかったというのに、あの子を好きになってしまったなんて。でも…悪くない感覚だった。
Gr「こうなったら、トン氏と共にAを染め上げてやろうじゃないか。」
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すみれいん(プロフ) - きゅるきゅる、ウルル…ここめちゃくちゃ好きです。 (2020年12月8日 23時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
×(プロフ) - こんなに面白い作品が読めてうれしいです！応援してますヽ(^o^)丿 (2020年11月29日 12時) (レス) id: 2c8e323fdc (このIDを非表示/違反報告)
(´ー｀*)ｳﾝｳﾝ - 好きです。(唐突)頑張ってください。 (2020年11月25日 14時) (レス) id: 79aefbbb5a (このIDを非表示/違反報告)
ラリー - 面白いんじゃあ...続きが気になって死んでまう...(訳:この作品とても好みで面白いです!更新頑張って下さい!) (2020年11月24日 22時) (レス) id: 4e3832928c (このIDを非表示/違反報告)
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