迷子【Ht】 ページ21
ある日に、俺はひとらんと共に気晴らしに外へ来ていた。相変わらず通りは多くの人外たちで賑わっており、色んなお店で沢山お客も入っていた。
『相変わらず賑やかだね外は』
Ht「まぁね。俺たちが住んでる吸血鬼と悪魔のエリアは、他のエリアと行き来が特にしやすい場所だからね。人狼や妖怪たちもよく来るから」
『確かに、色んな種族いて目が疲れそう。…ん?』
話しながら歩いていると、路地裏に差し掛かった時に鳴き声が聞こえた。
『ひとらん…こっち』
Ht「うん…子供?」
2人で路地裏に入ってみると、そこには泣きながらぽつんと座っている女の子がいた。
「ひぐっ…うぅ…ままぁ…」
『君、どうしたの?お母さんは?』
「うっ…どこか、行っちゃったぁ…」
見ると頭に角があり、小さな尻尾もあったので悪魔の子だろうか。おそらく迷子だ。
『はぐれちゃったのね。よし、じゃあ一緒にお母さん探してあげる』
「…ほんと?」
『ほんと。ほら、抱っこしてあげるからおいで』
「ぐす、うん…」
余程気持ちが追い詰められていたのか、割とあっさり着いてきてくれて、俺は安心する。抱きあげれば、その子はなんだか落ち着いた表情をした。
「おねえちゃん、あまくていいにおいする…」
『えっ、そう?』
「うん、おちつく…」
『そっか。じゃあ一緒に探そうね。行こうひとらん』
Ht「はいよ」
そこから女の子の意見を頼りに色んなところを見て回って、なんとかお母さんを探し出した。お母さんの方も探していたようで、見つけた時感謝された。
「本当にありがとうございます…!しかも城主様のところの人に…お礼は後日させてください!」
Ht「いえそんな。見つかってよかったです」
「本当にすいません…とりあえず、今日はこれで失礼致します。さ、行きましょう」
「うん!バイバイ、おねえちゃん、おにいちゃん」
お母さんは女の子の手を引いて、また人混みに紛れて言ってしまった。それを見送り、そろそろ帰ろうと足を進めた時、俺はふと呟いた。
『あの子…可愛かったなぁ…子供かぁ…いいな…』
Ht「…作る?子供」
『ふぁっ』
Ht「君との子なら可愛いだろうね。俺たちみんな子煩悩になりそう」
『ちょ、からかわないで!?』
Ht「ははっ、冗談だよ。…半分ね」
思いもよらないからかいを受けて、俺はため息を着く。後日、あのお母さんからだろうか…綺麗な石の付いたペンダントと、子供のような拙い文字で書かれた感謝の手紙が届いたのだった。
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暁 - うぁ"...エッ((( エフンエフン最高ですね!!!!! (9月8日 14時) (レス) @page30 id: 1fc9dc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
ミックスベリー - 応援しています!!! (2021年10月25日 0時) (レス) @page30 id: ff705752ad (このIDを非表示/違反報告)
パソコンの精 - こんなご時世ですが頑張って下さい!応援してます! (2020年12月13日 9時) (レス) id: 8d2541acc6 (このIDを非表示/違反報告)
霊華(プロフ) - おはようございます作者様!番外編ありがとうございますっ!!ちょっと寂しいなぁーって思って探してたら番外編、、、!これからも更新頑張ってください!!体調にもお気をつけて! (2020年10月22日 7時) (レス) id: 167133acde (このIDを非表示/違反報告)
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